
人口減少、少子化、高齢化というのが、ここ数年やたらと話題になっていて、テレビでも新聞でも、巷間耳に
しない日がないくらいです。
いずれも、どちらかといえば悲観的に語られることが多く、この先の日本はいったいどうなってしまうんだろう
という漠然とした不安を感じさせる内容も多々あります。
中でも人口減少の問題は、何もかもが停滞して行くようなイメージがありますが、経済成長と人口問題は全く
といっていいほど別物であることを、この本は理路整然と解説してくれています。
第1章 経済学は人口をいかに考えてきたか
第2章 人口減少と日本経済
第3章 長寿という果実
第4章 人間にとって経済とは何か
経済成長のカギを握るのは 「 イノベーション 」 であって、人口の増減ではない。確かに、いくら人口が減り、
働き手が減ったとしても、イノベーションによって少ない人数でも同じことが出来るようになれば、経済成長は
続いて行く。
過去からの人口動態がどうだったのか、それと経済との関係はどうだったのかをもとにして論理を展開して
いるので、理詰めの話で一貫性があり、説得力もあります。
人口減少を憂いているだけでは何も解決しない訳で、そういう意味では 「 人口減少ペシミズム ( 悲観論 )」
は排して、客観的な姿を見極めていく必要がありそうです。
【 2017年2月10日 読了 】