イメージ 1

 「 博士の愛した数式 」 は原作をまだ読んでいません。映画もまだ。

 そんな小川さんのエッセイを読みましたが、冒頭で延々語られるのが数学の魅力の話題。

 もともと文系で、数学は大の苦手、物理も化学も得意ではなかった私にとって、著者が数学と向き合い、

触れ合う話はとても分かりやすく、興味深い内容でした。

 「 友愛数 」 なんてのがあるなんて、知りませんでした。

 章立ては、

  数の不思議に魅せられて
  「書く」ということ
  アンネ・フランクへの旅
  犬や野球に振り回されて
  家族と思い出

 となっていて、とくにアンネ・フランクの生家を訪ねたときの話には、この方の物事や社会の見方の真髄が

さりげなく綴られていて、胸に沁みました。

 控えめで地味な性格のように感じますが、実は芯が強くて熱いものも持っている。そんなこんなを、スルスルと

入り込んで来る文体で書かれています。

 他の作品も読んでみたくなりました。

                                                   【 2016年7月15日 読了 】