
<2014年11月1日>
秋田県大仙市高梨の旧池田氏庭園の一般公開 「 秋の園遊会 」。
数々の土蔵、主屋、庭園を巡って、次は洋館へ入りました。

大正11年(1922)竣工の洋館は、秋田県で最初の鉄筋コンクリート建築。
建築史的にも貴重な建物である、この洋館は平成18年から22年にかけて修復工事が行われました。その
ときの経緯が紹介されていました。

修復にあたって、屋根、タイル、窓ガラス、床板、シャンデリアなど、大正建築の特徴的な部分を忠実に修復
して行ったことが分かります。

中へ入ると、まず入口のすぐ横の部屋にあったのが、ビリヤード台。
庭を眺めることができる部屋で、テラスから庭へ出ることもできます。当時の社交場の雰囲気を今に伝える
「 玉突室 」 です。

「 きんからマップ 」 なるボードがありました。
北は北海道の旧日本郵船小樽支店から、南は長崎のハウステンボスまで、「 金唐革、金唐紙 」 を使った壁紙
のある建物の一覧です。

復元された 「 金唐革紙 」 の現物も展示されていました。

完成までの工程が複雑で、手間のかかる 「 金唐革紙 」。
和紙に金属箔 ( 金箔、銀箔、錫箔など ) を貼り、版木に当てて凹凸文様を打ち出し、それに彩色を施して行く
豪華な壁紙です。

復元に際して、版木棒を製作したようです。この版木を使って凹凸文様が浮き出てきます。
全国的にも珍しい 「 金唐革紙 」 を貼った壁紙、当時の時代の最先端の技術を駆使して造られた洋館が、
見事に復元されていました。

洋館を見終えて、ちょうどひと回り。外へ出ました。
正門の向かい側に 「 穇如亭 」 という建物がありました。皇太子殿下が訪れたこともあるようです。現在は
小休憩とインフォメーション&コミュニティスペースになっていました。