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 養老孟司さんの 「 逆さメガネ 」 ( PHP新書 ) なる不思議な題名の本を読み終えました。

 「 都市は進歩の象徴 」「 個性は心にある 」「 バリアフリーの社会を 」 といった現代人の価値観は 「 錯覚 」 で

あると、バッサリ切り捨てています。

 冒頭で展開される親と子供の話が実に面白いですね。

 「 親は産んだつもり、子どもはひとりでに生まれたつもり 」 ですから、親は子どもをコントロールできると思って

いること自体が親子の根本的対立の要因だと・・・。

 親子の話題から、教育論へ社会論へ政治や経済や学問の世界まで拡がって行きます。

 運動会で全員が一等賞になるなどという不思議な世の中になってしまったのは何故か?その答えみたいな

ものも、読み進めて行くと分かって来ます。

 【 逆さメガネ 】 でモノを見ることが実はとっても大切であることが淡々と綴られていて、心や価値観を揺さぶら

れるような内容でした。

                                                   【 2015年2月20日 読了 】