
<2014年9月25日>
秋田県北秋田郡上小阿仁村で開催されていた 「 KAMIKOANI プロジェクト秋田 2014 」 沖田面会場。
ここ旧沖田面小学校の会場は、作家が滞在しながら作品を制作し、途中経過を随時公開もする 「アーティス
ト・イン・レジデンス 」 の会場です。一ヶ月ほど前に来た時は、作品制作の最終仕上げのタイミングでしたが、
この日は全部の作品が仕上がって展示されていました。
田中望さんの向かい側の教室は 「 なくわみれな 」 さんの部屋です。本名なのかも知れませんが、全部ひら
がなにすると、不思議な謎めいた雰囲気になります。

まるで、昔の教室に入って行くような気分になります。
キャプションによると・・・作品の題は 「 Cross point 」 という6分間のビデオ映像です。
【 上小阿仁村には不動羅遺跡という縄文時代の集落遺跡がある。不動羅に住んでいた縄文人の子孫が山
から下りて上小阿仁村を形成したのではないという。彼らは一体どこへ移り住んで行ったのだろうか。
上小阿仁村出身以外の住民を中心にインタビューを行い、上小阿仁村に来たきっかけや、故郷への思い
を語ったインタビューを記録した。滞在して感じた上小阿仁村の生活や行事の場面で語られる言葉から
「 ここにあり続けること 」 を考える。】

ずっーーーとビデオが繰り返し繰り返し流れていました。
「 今、この村が静かなのは また栄えるための準備をしているからさ・・・」 なんて。

窓を背にして立つと、オルガン越しに椅子が並び、ビデオ映像を見ている人たちを 「 見ている 」 アングルで、
先生の目線になります。

黒板の前に散りばめられた真っ赤な 「 ほおづき 」 は、上小阿仁村の象徴の一つです。

緑のダルマは、どう見ても上小阿仁村と直接の関係はなさそうで、ちょっぴり遊び心かも知れません。
それとも、片目が入っていないので、「 まだ願いが叶わない 」 という意味でしょうか?

映像が変わって、不思議な顔に・・・番学か狐の嫁入りのような怪しげな雰囲気です。

「 なくわみれな 」 さんの作品は、教室内の映像だけでなく、ホールの方にもありました。

標題は 「 Fog town 」。
油画で・・・【 街も 人も 炎も 光も 大きく揺らいで 何か不穏なことが今も起こり続けている 】
霧に包まれて、何かが蠢いたり、微かに見えたり見えなかったり、不思議な謎めいたちょっぴり怪しげな独特の
空間をイメージさせる 「 なくわみれな 」 さんでした。