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 松本幸四郎&松たか子 著 「 父との往復書簡 」( 文春文庫 )。
 
 「 娘 」 の文字だけが赤くなっている、ちょっと気になる本でしたので読んでみました。
 
 歌舞伎界の名門 「 高麗屋 」 を背負って立つ松本幸四郎さんと、三番目の子供 ( 次女 ) である松たか子さん
 
との、2年間に及ぶ手紙のやり取りです。
 
 歌舞伎、舞台、芸、親、子、男、女、家族、過去、現在、未来・・・etc、ひと言で言えばこの二人、とにかく真面目
 
です。真剣さを通り越して 「 真摯 」 という表現の方がピッタリするくらいの向き合い方で、それが全編を通じて
 
爽やかさとか清らかさを感じるくらいの内容になっています。
 
 同じく娘を持つ男親として、私にも幸四郎さんの思いが分かる場面が多々ありました。
 
 「 いい加減 」 という言葉があって、手抜きをする意味の 「 いい加減 」 ではなく、物事にはちょうどいい加減、
 
過不足のない加減というものがあって、芸にはこれが大切だ、という話は響きます。
 
 往復書簡の最後に、娘の松たか子さんは嫁いで行きます。このときの親娘のやり取りも、ちょっと感激でした。
 
 「 Bye Bye happiness,hello loneliness 」 というフレーズが何回か登場しますが、人生の決断をするときって、
 
そんなものかも知れません。
 
                                                    【 2014年11月1日 読了 】