
「 自分 」 って一体何だろう?消えればどうなるんだろう?といった 「 自分 」 の存在について、昔からたまに
考えることがありました。若い頃は、その存在が 「 消える 」 ことに底知れない恐怖感を抱いたものですが、トシ
とともに “ そのときが来れば、それなりに・・・。” みたいな気持ちが強くなって、恐怖感はあまり感じなくなり
ました。
そんな 「 自分 」 についての本です。
養老孟司著 『「 自分 」 の壁 』 新潮新書。
【「 自分探し 」 なんて無駄なこと 】・・・最近流行り言葉のように言われる 「 自分探し 」 という表現には、
ずっと違和感を抱いて来たので、養老さんの意見には賛成です。他にも、養老さんらしい刺激的な言葉が
並びます。
【 この世で生きて行くうえで大切なのは、人と同じところを探すこと 】
【「 個性を伸ばせ 」 という教育は、若い人に無理を要求して来ただけ 】
【 原発事故もエネルギー問題も、実は自分自身の問題 】
【「 いじめ 」 はなくならない 】
【「 子供の世話にならない 」 はおかしい 】
【 選挙はおまじないである 】
センテンスだけ引用して来ても、前後の文章を読まなければ真意は伝わらないと思いますが、養老さん自身の
素直な気持ちや考え方が述べられていて、考えさせられました。
刺激的な言葉の連続が、逆に安心感や安堵感のようなものに繋がったような読後感です。
【 2014年9月21日 読了 】