
波野好江著 『 中村勘三郎 最期の131日~哲明さんと生きて 』 ( 集英社 ) を先ほど読み終えました。
帯に記された、
【 2012年12月5日、不世出の花形役者中村勘三郎逝去。役者として脂の乗り切った57歳での死は、
歌舞伎界の屋台骨を揺り動かした。
ガン告知、手術、ARDSの発症、転院、また転院・・・。32年間共に生きた妻が綴る、類まれな夫婦の
姿と、知られざる闘病の真実。】
という言葉が、この本の中身を全て物語っています。

2年前の正月に、思い立って妻と二人、東京から箱根、そして富士五湖方面をドライブしました。
そのときに、まず行ったのが 「 平成中村座 」。

一度は本物を見てみたかった歌舞伎。
それが 「 平成中村座 」 という限定イベントで実現しました。

東京の正月、華やいだ雰囲気の浅草、隅田川の川べりを歩いて行って、仮設の芝居小屋へ。
幕が上がる前に、せっかくだからと、隅から隅まで見て廻りました。

私の席は、花道の脇。
この花道を通って、勘三郎が、勘九郎が、七之助が、橋之助が、獅童が、私のすぐ傍を駆け抜けて行きま
した。

“ いよっ!中村屋!”
いくら掛け声をかけても、勘三郎さんが戻って来ることはありません。本当に残念な役者を亡くしたと、改めて
思います。
中村勘三郎、本名;波野哲明 ( のりあき )、妻;好江・・・、親友の野田秀樹さんが 「 あとがき 」 で書いている
とおり、夫婦二人で 「 中村勘三郎 」 だったことが、よく分かりました。
【 2014年3月14日 読了 】