4ヶ月ぶりぐらいで、昨日、映画館へ行って来ました。
山田洋次監督 「 小さいおうち 」。

原作;中島京子、脚本;山田洋次、平松恵美子
出演;松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子、橋爪功、吉行和子、室井滋・・・。

山形から上京し、女中奉公を始めたタキ ( 黒木華 ) の視点で、物語は進んで行きます。
東京郊外の中産階級の小市民の 「 小さなおうち 」 で起こるちょっとした事件と、それを取り巻く日本という
国が進んで行った大きな事件が並行して描かれています。

タキを演じた黒木華さんの微妙な感情の変化を 「 想像させる 」 演技力は、さすがベルリン映画祭で賞を取る
だけのことはあると感心させられます。表情の変化と、仕草の細やかさが特に目を惹きました。
もう一人、タキの晩年を演じた倍賞千恵子さんがいい。この方、お婆ちゃん役になっても自然でしっかりした
存在感を魅せてくれる女優さんです。とくに、崩れ落ちるような泣き方には、参った!
昭和10年代、日本が軍国主義へと突っ走り、太平洋戦争へとなだれ込んで行く時代の空気感、市民の感覚
が縦糸と横糸を織り込むように丁寧に描かれています。反戦のメッセージが深く強く流れているのと、カメラアン
グルがかなり低い位置で、小津安二郎監督のアングルを思わせる撮り方が印象に残りました。