
久しぶりに、昔の本を引っ張り出して読みました。
堀辰雄の 「 風立ちぬ 」 です。新潮文庫。
先日、宮崎駿監督の最新作 「 風立ちぬ 」 を観て、原作に触れてみたくなりました。そこで、本棚から随分昔に
読んだ文庫本を、再び手に取った次第。
何となく中身の印象は残っていて、“ あぁ、そういえば、こんな感じだった・・・” と思いながら読み進めて来ると
この小説は最後は回想になっていたことを改めて知りました。
「 序曲 」「 春 」「 風立ちぬ 」「 冬 」「 死のかげの谷 」 という章立てになっていて、最終章は主人公のことを
1年後に回想している形です。
透明感のある、独特の文体で、風が流れるような文章。この作品で描かれている雰囲気が、宮崎監督の映画
でも、かなり良く伝わって来ていました。

タイミングよく届いた 「 大人の休日倶楽部 」 の月刊誌。
ここでも堀辰雄らの四季派の特集が組まれています。

堀辰雄文学記念館には行ったことがありませんが、この人の持つ繊細さや時の流れを文章に落とし込んで
行く心地良い文体に、触れてみるのも悪くないと思いながら、いつか尋ねる日を楽しみにしたいと思います。
【 2013年11月3日 再読了 】