
随分前に買って、随分前から、随分時間をかけて、毎日少しずつ読み進めて来ました。
「 キャロル・キング自伝~ナチュラル・ウーマン 」、松田ようこ訳、河出書房新社。
自伝を読んで感動を覚えることは、意外に少ないものですが、これは違いました。544ページに及ぶ大作
でしたが、ひとつひとつの言葉や文章表現に書き手の思いが丁寧に込められていて、読み手の方も大切に
噛みしめるように読み進めることで、書き手の 「 思い 」 に応えよう・・・という気持ちになりました。

1942年ニューヨークで生まれ、アメリカのミュージック・シーンで成功と失敗を繰り返しながら、ひとつの時代
を築いたミュージシャンの伝記。
意外なところで、意外な人と出逢い。意外なところで、意外な展開となり。意外なところで、意外な結末を
迎える。“ いやぁー!人生って不思議なものですね!” という感嘆符が、残された付箋の数で分かります。

【 自らの言葉で、愛する友人たちに気を配りながら丁寧に、そして驚くほど謙虚に人生を綴って
いる。】( 訳者あとがき )
まさにその通りで、「 成功はしたかったけど、スターにはなりたくなかった。」 キャロル・キングさんの人生観
が淡々と綴られています。まさに 「 ナチュラル・ウーマン 」 そのもの。
日本武道館での、ジェイムス・テイラーさんとのジョイント・ライヴへ数年前に行ったとき、この 「 ナチュラル・
ウーマン 」 の演奏で会場全体が大合唱になったことを想い出します。
今度また来日することがあれば、万難を排して行きたいと思いますが、そのときは彼女に対する見方が少し
変わって、深くなっていることと思います。
【 2013年9月4日 読了 】