
『 無地のネクタイ 』 丸谷才一著、岩波書店。久しぶりの丸谷エッセイ。
丸谷さんの本を読むと、いつも日本語の美しさを再認識します。
旧仮名遣いが復活することは、これから先あり得ないことかも知れませんが、日本語の本当の良さは旧仮名
遣いの方が表現できると思います。
「 映画の予告編は嫌い 」
「 うまい電話だなあと感じ入った人よりも、うまい手紙だなあと思った人の方が、信用できるやうな気がする。」
「 株式会社を㈱と略したりするのは嫌い 」
などなど、丸谷さんには好き嫌いが結構あって、それをはっきり表明しています。嫌いなものも、好きなものも、
その理由が明確で論理的なので、なかなか反論できません。
博識なうえに、文章の達人と来ているので、どの本を読んでも知的好奇心を十分に満足させてくれます。
【 2013年4月21日 読了 】