
不況だデフレだ、どこへ行っても 「 なかなかモノが売れない 」 という話を聞きます。
日本人は、ある意味奥ゆかしいところもあって、売れている人でも売れていないと言い、売れていない人は
本当に売れていないと言う傾向があるので、世の中全部 「 売れていない 」 ような気になります。
実際のところは、ヒット商品も出ているし、前年比で売り上げを伸ばしているところもあります。でも全般的に
見れば、やはり 「 売れていない 」 時代になっていることは確かで、ひとつの要因はほぼ飽和状態になっている
こともあると思われます。
小阪裕司さんの著書を久しぶりに読みました。
『 「 心の時代 」 にモノを売る方法 』。サブタイトルとして 「 変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来 」 という
一文が付いています。
第1章 変わりゆく消費社会とたったひとつの欲求
第2章 なぜ、この「現実」が見えなくなるのか
第3章 「売れない」三重の問題とビジネスの未来
第4章 新しいビジネス六つの成立要件
第5章 ビジネスの姿が変わる三つの潮流
第6章 つけるべき力、磨くべき感性
いつも読みやすい文章で、スルスルと頭に入って来る小阪さんですが、今回はいささか理論的な展開を全面
に出しているので、アカデミックな読後感です。
「 見て 」「 立ち止まって 」「 手に取って 」「 お金を払ってくれる 」・・・「 人 」 がいなければ、いくらいいものでも
売れない。この当たり前のことに対する、小阪さんなりのアプローチが毎回毎回新鮮な刺激となって、気付きを
与えてくれます。
【 2013年2月4日 読了 】