
<7月15日>
陸前高田市の沿岸、国道45号線の高田バイパスからは、高田松原の美しい景色が見えていました。
江戸時代から整備がすすめられた松原の白砂青松の景色は、年間約100万人もの観光客を集めていた
そうです。

道の駅 「 高田松原 」
観光客や地元の方々が、ワンサカ訪れたであろう道の駅は、建物だけがかろうじて残っているだけで、内部は
メチャメチャになっています。
おそらく、あの三角形の看板の上まで津波が到達し、すっぽりと飲み込まれたものと思われます。

道の駅から向こう、海側を眺めると、あの白砂青松の松原は、あとかたもありませんでした。
あたり一面、地盤沈下なのか大きな水たまりがあちこちにあり、骨組みだけになってしまった建物、瓦礫・・・、
その中に1本、木が見えました。

瓦礫を撤去している重機の脇に、木が一本残っていました。
一瞬、噂の 「 奇跡の一本松 」 かと思いましたが、どうも違うようです。木の形が違うし、こちらは葉っぱが何も
ない枯れ木の状態です。
それでも、あの津波に耐えて残り、立っているだけでも感動を覚えました。

遠景で見ると、周囲に何もなくなり、いまだに手つかずの状態になっている、かつての高田松原周辺。
荒涼とした景色です。

山側にカメラを向けてみると、こちらも遥か見渡す限り何もなく、ところどころに瓦礫が集められて、分別、撤去
の作業が続けられています。

陸前高田を訪れたのは初めてです。
今の、この荒涼とした光景から、高田松原が 「 健在 」 だった頃の景色を想像することはできませんでした。
ただ、秋田県能代市の沿岸に 「 風の松原 」 という松林が拡がっており、市民の憩いの場になっています。
おそらく、そんなイメージで、それらがすべてなぎ倒されて、この光景になってしまったんだろうな・・・と思い
ながら、見つめていました。
ここも、呆然と見つめるだけで、言葉がありません。