
<8月14日>
旧八木沢分校の校舎を使って展示されている作品群。
廊下にあったのは、小さな女の子のイラスト的な作品です。

丸岡慎一作 『 ひとりぼっちの卒業式 』
これもインスタレーション作品のジャンルに入っています。

廊下の右側 ( 窓側 ) には、6つのアングルから描いた女の子の絵。
さきほどの左側 ( 教室側 ) も、こちらも描かれている対象は一人です。

廊下の突き当たりには、等身大の作品が立っていました。これも、もちろん一人。
『 ひとりぼっちの卒業式 』 というテーマが、見ているだけで、佇んでいるだけで伝わって来ます。
廃校になった山奥の小さな分校、昭和の空気が充満しているような校舎、そこに描かれた現代風の萌えに
近いけど、どこかレトロなキャラクターの女の子。
廊下を駆け回っていた女の子が、廊下の向こうに静かに消えて行く姿が印象的です。

分校校舎内の展示をひと通り見終わったのは、午後5時30分頃だったと思います。あたりは少しずつ夕暮れ
になって来ました。ボランティアを思われる中年女性と、二言三言。
“ 思ったより、ずいぶん山奥ですねぇー ”
“ ハイ!来られた方、皆さんそうおっしゃいます。”
“ それでも、ヒトは来るもんですね。”
“ 今日は平日ですから5~60人くらいだと思いますが、休日は300人以上来てますよ!”
“ エエッ!本当ですか?そりゃぁすごい!”

いくらイベント開催中とはいえ、この山奥に、そんなに人が来ているとは思いませんでした。
確かに、この日のこの時間でも、まだポツポツと訪れる人がいたことも確か。ついでのように作った 「 子うさぎ
ミニ放牧場 」 の子うさぎたちも、あまりの人手に驚いているのでは?
『 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012 』 の飛び地開催、秋田県北秋田郡上小阿仁村
八木沢集落での 『 KAMIKOANI プロジェクト秋田 』。
超山奥の中に点在する作品群と、廃校になった分校に展示されている作品群に対峙してみると、テーマである
【 ただ、ここに、在り続けたい 】
の意味が、何となく理解できる、肌感覚で感じることができるような気がしました。 【 FIN 】