
<8月14日>
コンクリート製の 「 西山下橋 」 を渡って集落へ入り、点在する作品をひと通り観て、木製の橋を渡りました。
ここから順路の矢印は山の方を指しています。山裾に向かって拡がる棚田の中にも、インスタレーション作品
が展示されているようです。
このあたりで午後5時30分頃。ボチボチ日が傾きかけて来たこともあって、棚田まで足を延ばすのはやめて、
車を停めた駐車場へ戻って来ました。
そこは 「 沖田面小学校 八木沢分校 」 の校舎とその敷地。分校は大正3年に開設され、昭和58年に廃止
されています。小学校は明治11年に創立され、平成19年に廃校となり、上小阿仁小学校へ統合されました。
集落の歴史を体現して、今なお残る分校の校舎が、作品の展示に使われています。入口の暖簾は、この
プロジェクトのシンボル 「 はさがけ 」 が描かれていました。

入口を入ると、すぐ教室。
テーブルがセットされていて、週末にはカフェになります。年配の女性の方が一人、たぶんボランティアでしょう
ね、笑顔で声を掛けてくれました。

廊下を通って奥の教室が展示スペースになっています。
床一面に規則正しく並べられた、白い物体。

田村 一 作の陶芸作品 『 carnival portraits 』
貝のようにも、骨のようにも見えます。

隣りの教室には、ニッポン画家山本太郎作の平面作品、屏風です。
『 松樹鉄鶴図 』
枝ぶりのいい松の大木に、鶴ではなく、鶴のマークでお馴染み日本航空の飛行機 ( 鉄鶴 )、歩行者用信号機
ゴミ箱が描かれています。

もう一つは 『 観楓遊楽図 』
楓の大木の下で、万国旗を飾って運動会、それを眺めている不思議な衣装の一団、空を飛ぶのはコウモリ。
両方の屏風絵とも、構図や技法は伝統的手法を踏襲しながら、描いている中身は現代日本を象徴するような
モノや光景です。
独特の価値観で描かれた、ちょっとドキッ!とするような作品。