
<7月15日>
あたり一面、破壊し尽くされ人気も殆んどなかった大槌町から、鳥谷坂トンネルを抜ければ釜石の街へ入り
ます。釜石市役所の脇を通って、沿岸部へ。
釜石魚市場の近くで車を停め、あたりを見渡してみると、ここの一帯も甚大な被害を受けたことが分かります。
足場を組んだ3階建てのビルは、おそらくスッポリ津波に飲み込まれたものと思われ、ようやく ( たぶん )
解体工事が始まろうとしていました。
地面に立っている自分の目の高さと、津波が襲ったであろう3階以上の高さを比べてみると、ゾッ!とするほど
の津波の大きさです。

立体駐車場とマンション棟。
大槌町など他の街との違いは、釜石にはこういう頑丈なビルが多いため、それらは津波に耐えて残っている
こと。一面何もなくなった光景とは違います。
ただ、残ったとはいえ、使い物にはならず、1年4ヶ月という時間の経過で相当傷みが激しくなっています。
いったん解体するしかなさそうで、これはこれでカネの掛かる話。復旧の難しい点の一つだと思われます。

海と陸の境目です。
見た目には、かなり頑丈そうな開閉式の防潮門ですが、ビルの3階クラスの津波に対しては、「 防 」 の意味を
なさなくなります。

この厚さのコンクリート壁が、いとも簡単に壊されていました。

壊された防潮堤の向こう側に、釜石港が拡がっています。
その釜石港を見守るように立っているのが、雲と一体化しているような 「 釜石大観音 」。さすがに、あの山の上
の高さまでは津波は届かなかったようです。

残っているのは鉄筋コンクリート製の建物だけで、他は土台だけしかありません。
釜石の街は、狭い釜石湾を三方から抱きかかえるように山が迫っており、沿岸部の少ない平地に街並みが
形成された形。山が近い分、いち早く逃げた人は助かったと思われますが、津波は恐ろしいほどの高さで押し
寄せたであろうことが実感できます。