
<1月6日>
富士の裾野に涌き出る 「 忍野八海 ( おしのはっかい )」。
「 湧池 」「 濁池 」「 鏡池 」 と廻って、一番奥側に位置する 「 菖蒲池 」 まで来ました。
このあたりまで来ると、周りは長閑な田園風景で、普通の民家や農家の軒先を通って見物しているようなもの。
「 菖蒲池 」 も、一見個人宅の池かと思うぐらい、さりげなく、そこにありました。おそらく季節になると、池の周囲
にびっしり菖蒲が生い茂るんだと思います。

東屋と売店もあって、その向こうに、雲のマフラーをなびかせるように富士の姿が見えます。
東屋の天井には、乾燥させている種トウモロコシがぶら下げられていました。

このあたりの住環境はいいですね。周りは清冽な水に恵まれ、目の前には雄大な富士がいつもあります。
静かで空気が綺麗で眺めがいい忍野八海あたりには、立派な建物が点在しています。
澄み切った湧水が流れる川で、のんびり草をはむ鳥の姿。

人に慣れているんでしょうね、鳥は逃げるどころか、近づいてきます。
これって、鴨?それとも・・・。

忍野八海の真ん中を貫いて流れているせせらぎは 「 阿原川 」 という名前です。
富士山の湧水を集めて流れているのかも知れません。地図上で見ると、この先、最終的に相模川に合流して、
山梨~神奈川を流れ下り、相模湾にそそいでいるように見えます。

一番奥の菖蒲池から、行った道を戻り、阿原川のほとりを通って反対側方面へ。
やぶの中にあったのが 「 銚子池 」。直径10メートルほどの小さな池です。

さらに阿原川べりを歩き、ときには河原に降りて、流れる水のすぐ脇を通って、忍野八海巡りを続けました。
歩くたびに、ヤケに、ザック!ザック!と大きな音がすると思ったら、霜柱です。湧水に囲まれた地域で、
いわば湿地帯のようなもの。1月6日という真冬の時期ですから、11時頃でも、地中で凍りついた水分が土を
押し上げていました。

途中に 「 底無池 」 というのがあるはずですが、見つけられませんでした。
次は 「 お釜池 」。
さらに小ぶりの池で、解説によると名前の由来は、釜の底で熱湯が沸騰するように水が湧いているためとか。

忍野八海にある8つの池のうち、5つを見て、一つは見つけられず、残る 「 出口池 」 は約1kmほど離れている
ので断念。再び水車のある濁池に戻って来ました。
山中湖から河口湖方面へ向かう途中、何気なく立ち寄った 「 忍野八海 」 でしたが、その美しさに驚きました。
湧き水だけで、これほどの景色・名所をつくる富士山の凄さを改めて感じさせられます。