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<1月5日>
 
 箱根登山鉄道、箱根湯本発強羅行き。
 
 急勾配を一気に登る電車の車窓からは、次々に変わる景色が楽しめます。早川の急流、重なり合う山々、
 
トンネルを抜けるたびに大きく変わる景色。何となく、路面電車に乗って山登りを楽しんでいるような雰囲気。
 
 出山信号場で1回目のスイッチバックをして、運転手と車掌が交替し、進行方向が逆になって登り続ければ、
 
次は大平台駅。標高349M。ここの次の駅は 「 スイッチバック 」 としか書いていません。
 
 つまりここでもスイッチバックすることになります。
 
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 大平台駅のホームに止った電車は、なかなか動こうとしませんでした。運転手と車掌の位置チェンジに手間
 
取っているのかと思いきや、車内アナウンスが・・・、
 
 “ お急ぎのところ申し訳ございませんが、小涌谷駅付近でポイント故障があり、現在復旧の目処が立って
 
おりません。恐れ入りますが、バス代行になりますので、よろしくお願いいたします。 ”
 
 ほぼ満員の乗客たちも一瞬何が起こったのか戸惑いを隠せませんでした。ジョークなのかと・・・。
 
 でも、どうやら間違いない話のようなので、私たちはいち早く電車を降りました。
 
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 1両目に乗っていて、いち早く降りたので、私たちがホームを歩いている時点で、まだ電車内に残っている人は
 
沢山いました。
 
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 大平台の駅舎は、ホームから随分高い所にあります。
 
 私たちが改札を出て、バス停に並ぼうとしている時点になって、乗客たちがゾロゾロ降りて来ました。上から
 
見ると、ホームが行き止まりになっていて、ここで進行方向が逆になることが良く分かります。
 
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 進行方向は向こう側です。
 
 次の駅は 「 上大平台信号場 」 で、ここでも3回目のスイッチバックが、あるはずでした。
 
 つまりは、出山信号場、大平台、上大平台信号場と3回連続スイッチバックが続きます。このうち1回目を体験
 
したところで、今回は残念ながら電車を降りることになりました。
 
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 駅舎の外へ出て、バス停に並びました。
 
 このとき初めて、「 早く電車を降りて良かった 」 ということが分かりました。バス停で代行バスを待つ行列の
 
前の方に並ぶことができたからです。
 
 電車1台分をバスで運ぶには、バス1台では済みません。電車から 「 降り遅れた 」 人は、何台目かのバス
 
まで待たなければならないことになります。
 
 とはいえ、思いもかけないハプニング。「 ポイント故障 」 という想定外の事態に遭遇することになって、滅多
 
に経験できない旅の想い出が、ひとつ増えることになりました。