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 【 街歩き大好き 】 書庫で連載している 「 信越の旅 」 シリーズは、小布施の街歩きを終え、次の目的地に
 
向かうところまで来ました。
 
 この街のことを綴った本が、川向正人著、新潮新書 『 小布施 まちづくりの奇跡 』 です。
 
 「 修景 」 という手法を駆使して行われた、小布施の街づくりについて、詳しく解説されています。「 修景 」 とは
 
簡単に言えば、「 景観に欠けたところがあればそれを補い、不要のものは取り除き、乱れたところは整えて、
 
一つのまとまりのある景観、一つの世界をつくり上げること 」 と定義されています。
 
 伝統的景観保存や町並み保存という手法では、歴史上のある状態に復原保存するため、その後の変更は
 
難しくなります。「 修景 」 とは根本的に異なります。
 
 伝統的な街並み保存に固執し過ぎず、かといって街の歴史を全く無視する再開発でもない。いまあるもの、
 
その街に暮らす人々の想いを大切にしながら、少しずつ景観を修復して行く。
 
 実際に小布施の街へ行ってみると、この手法が現代のまちづくりの方向性として極めて有効なのでは?と
 
思わせてくれます。
 
 第1章 北斎に愛された小さなまち
 第2章 過去を活かし、過去にしばられない暮らしづくり~修景
 第3章 世代を超えて、どうつなぐか
 
 東京理科大学・小布施町まちづくり研究所所長という立場から、長年小布施に関わって来た筆者の思いが、
 
まちづくりの経緯とともに平易に語られています。