
<11月5日>
被災地の現場に立つために、夜明け前から出かけたロング・ドライブ。
白石ICを降りて、亘理町から岩沼市へ入り、新浜の 「 あたり一面何もなくなってしまった 」 光景を目の当たり
にし、その中に、頭部のない仏像を見つけて、手を合わせました。
そこから、更に北上すると、まもなく仙台空港が見えてきます。

一昨年7月、つまりかれこれ2年前、広島への旅に出たときに、この空港を利用しました。
空港近くの駐車場に車を置き、仙台から広島への直行便に乗った場所。大震災では、ここも津波でやられ、
多くの人が建物の中に閉じ込められた状態で孤立した場所。
こうして、車寄せの前に立ってみると、復旧を果たした空港は、一見何事もなかったように見えます。実際は、
1階部分は壊滅するほどの、かなりの高さの津波に襲われたはず・・・。

ターミナルビル内も、ほぼ復旧していました。
朝8:00頃の仙台空港、まだ人通りはほとんどありません。

2年前に車を預けた民間駐車場を探して、もう少し海よりのあたりへ行ってみました。
何となく道は覚えてはいましたが、何せ、周りに何もないので、土地勘が効きません。景色が全く変わって
しまい、どこがどこなのかはっきりしませんでした。

“ たぶん、このへんだったんじゃないかなぁー・・・?”
信号と海の感じは、記憶にあります。でも定かではありません。建物や看板が無くなってしまうと、距離感が
狂ってしまいます。

空港を後にして、再び北上するルートを走っていたときに、衝撃的な現場を通りました。
道路の脇の民家の前に漁船が横たわっています。
「 第五蔵王丸 」
大震災から、かれこれ8ヶ月。それでも、まだ、この状態・・・言葉を失いました。