
<9月27日>
八戸市内の被災地視察。
「 八戸造船事業協同組合 」 の代表の方からの説明が終わり、あとはしばらくの間周辺の現状を見て廻り
ました。やはり気になったのは、目の前に 「 打ち上げられて 」 いるように見える、痛々しい姿の船。
近寄ってみると。相当の被害を受けていることが分かります。
“ カーーン!カーーーン!” という金属を叩くような音が聞こえました。

作業員の男性が、一所懸命、ハンマーで船底を叩いている音です。
“ 何、してるんですかぁー?”
“ うーーーん!骨探しだぁー!”
船の骨格を確かめているんですね。叩けば、音の違いで骨組みの位置が分かり、そこを起点にして修理プラン
を組み立てて行くんだと思います。設計図なんかないでしょうから、人の感覚に頼るしかありません。

それにしても、この船 「 第六十五新生丸 」 は、修理するにしても、相当の手直しが必要そうです。

修理ドックの周りは、瓦礫の撤去が、まだ完全に終わっていません。
劣悪な環境の中で、何とか復旧に向かおうとしている姿。

日が沈み、夕闇に包まれようとしている八戸港。
波の穏やかな海面に、骨探しを続ける金属音だけが響いていました。

手前が新造船、奥が修理船。
明暗をはっきり分けたような姿の船が2隻並んでいましたが、どちらの船も復旧に向けて少しずつ動いている
八戸の港を象徴しているようでした。