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 ひょんなきっかけで手に入れた本です。
 
 宮 健 著、『 いわて 流通の先駆者たち 』、熊谷印刷出版部。
 
 帯に 「 いわて発の流通業変遷史!~これ一冊で、戦後の日本の流通業の歴史がわかる~ 」 というキャッチ
 
フレーズが躍っていますが、まんざら 「 誇大広告 」 ではありません。
 
 ホームセンター、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、ディスカウントストア、
 
商店街というジャンルに分けて、岩手県の企業が新しい業態に果敢に挑戦して来た足跡が綴られています。
 
 しかも、岩手の話と全国の話、さらには世界の小売業の話も随所に織り交ぜられており、「 岩手県の流通史 」
 
を追いながら、「 日本流通史 」「 世界流通史 」 も概観することができます。
 
 読み終えて、“ こんなにすごい本があったんだ!” と正直感心しました。
 
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 著者の宮健さんは、1933年生まれの経営コンサルタント、岩手銀行で支店長などを歴任したあと、1993年
 
60歳で事務所を開設して独立、その後はコンサルティングに、講演に、執筆にと、東北を代表するコンサルタ
 
ントとして活躍を続けています。
 
 この本は朝日新聞岩手県版に連載したものに加筆したもので、出版は2001年。この年の宮さんのキーワ
 
ードが 『 挑戦無限 』 だったんですね。
 
 毎年、年頭にその年のキーワードを決め、自らの指針としているそうです。
 
 やさしく語りかけるような文体は、宮さんの人柄、人生観を現しているようです。分かりやすい解説と、ポイント
 
を押さえたコメントで本当に勉強になりました。
 
 こういう記録を残しておくことは、とても有意義なことで、後進にとっての道しるべになります。
 
 大震災で甚大な被害を被った岩手県にあって、ひたすら真摯に自らの役回りを淡々とこなされている宮さん、
 
ご高齢にもかかわらず、年齢を感じさせない活躍ぶりは頭が下がります。
 
 いい著書、いい著者に出会いました。                                         
 
 【 2011年7月26日 読了 】