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 昨日、朝イチの開館と同時に観て来ました。「 大鹿村騒動記 」。
 
 監督;阪本順治、主演;原田芳雄、出演;大楠道代、岸部一徳、佐藤浩一、三国連太郎、松たか子、瑛太、
 
石橋蓮司、小倉一郎、小野武彦・・・erc
 
 7月16日に公開され、19日には主演の原田さんが亡くなり、遺作となってしまいました。
 
 不思議な 「 味 」 を持った映画ですね。もちろん、原田さんの鬼気迫るような演技はスゴイと思いますが、
 
それを支える脇役陣のキャラクターがそれぞれ突出しています。
 
 とくに、大楠さんの役回りが光ります。「 狂気 」 と 「 正気 」 の間を行ったり来たり、そのときのTPOで使い
 
分けているかのような面白さがあって、何とも言えない独特の世界を創り出しています。
 
 原田さんは相変わらずの芸達者で、この難しい役を見事に自分の世界に取りこんでいて 「 原田ワールド 」
 
全開という感じ・・・。本当に惜しい役者を、また一人亡くしました。
 
 長野県下伊那郡に実在する 「 大鹿村 」。その山あいの村に、現存する村歌舞伎の、実際に演じられれている
 
演目が題材になっています。フィクションとノンフィクション、バーチャルとリアル、狂気と正気、男と女、老と青、
 
愛情と友情、利便性と不便性、光と影・・・いろいろな要素が見事に対比されていて、極彩色の物語を観ている
 
ような気分になりました。
 
 主題歌は、忌野清志郎さんの 「 太陽の当たる場所 」。ラストシーンでこの曲が流れて来ると、原田さんの
 
遺影とイメージが重なって、ドドッ!と来ます。