
秋田県大仙市太田町、奥羽山脈の麓にある奥羽山荘。
そのまた離れの 「 もみじ庵 」。

庵のまわり 「 モリボの里 」 は、こんな風景です。
晩秋というよりは、もう初冬の装い。色付いた紅葉も、木々に残っているのはもう僅かでした。

『 男鹿和雄作品展 第二楽章より ~ヒロシマの風・長崎から~』 と題した展覧会。こじんまりした庵の中は、
この作品を目当てに、ひっきりなしに人が訪れていました。もちろん、満員になるほどではなく、小さな庵に
常に5~6人いる程度。

自由に写真を撮ってもよさそうな雰囲気もありましたが、さすがに作品を堂々と撮るのはどうかと思い、最初の
うちは内部の様子をさりげなく・・・。
ジブリの絵職人として知られる男鹿和雄さんが、原爆詩画集 「 第二楽章 」 の挿絵を担当したときの作品群
で、敗戦当時の広島や長崎の様子を描いています。

ここだけは、写真を撮らせていただきました。
大平数子さんの 『 慟哭 』
しょうじ ( 昇二 ) よう
やすし ( 泰 ) よう ・・・・・・・
子供たちの名前をただただ繰り返すだけの詩から、原爆で我が子を失った母の哀しみが、胸に迫ります。

文字を書いているのは、女優の吉永小百合さん。
吉永さんは、全国各地で原爆詩の朗読を20年以上も続けています。しかもボランティアで・・・。
そんな吉永さんのライフワークが、原爆詩画集 「 第二楽章 ヒロシマの風 」「 第二楽章 長崎から 」 として
出版されており、その挿絵を描いているのが男鹿和雄さん。
詩画、夕焼けに染まる原爆ドーム、長崎の田園風景、被爆直後の惨状・・・などなど。
ジブリに代表される懐かしいふるさとの絵を描く男鹿さんもいいですが、こういう絵を描かせるとシーーーーン
とした静寂感があって、観る者の心を打ちます。