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 『 小田和正という生き方 』 落合真司著、青弓社。
 
 プロローグの中に、こんな文章があります。
 
  【 小田さんのような歳のとり方をしてみたい。小田さんのような生き方をしてみたい。いっそ小田さんになり
 
  たい。頭のおかしな人だと思われそうだけど、わたしのなかではそれくらい小田さんはあこがれで大切な
 
  人だ。
 
   大切な人だからこそ、小田さんにラヴレターを書こうと思う。男が男にラヴレターって変だけど、小田さん
 
  への感謝の気持ちや感動したことなどを素直に言葉にしたいと思うのだ。】
 
 最初から最後まで、このコンセプトが貫かれています。そのこと自体は、熱狂的なファンが書いた 「 小田
 
フリーク 」 的な内容ということなんでしょうが、ずっと読み続けていると、読む側がどことなく疲れて来るような、
 
言いかえれば、いい加減食傷気味になるような気がします。
 
 アーティストとしての小田和正のやってきたこと、考え方、生き方は独創的で先進的で挑戦的で、そのことは
 
私も素直に素晴らしいことだと思っています。この本では、それらをランダムに紹介しながら、「 憧れの小田
 
さんは、こんなにも素晴らしいことをしてきました 」 という文が綿々と続きます。
 
 読み進むうちに、何となく息苦しくなったり、疲労感を覚えたりするのは、伝え方とか書き方のせいかも知れ
 
ませんね。文中 『』 で出て来る、曲名や本の題名や出来事が、何回も何回も、これでもかと繰り返されるせい
 
もあるのかも知れません。
 
 読む側にとっては、時系列にしてもらうとか、出来事別にしてもらうとか、もう少し整理して、簡潔に、淡々と
 
書いてもらった方が読みやすいような気がしました。
 
                                                   【 2010年7月10日 読了 】