
相変わらず、舌鋒鋭いエッセー集です。
環境問題、社会問題、政治の話・・・etc ジャンルを問わず、倉本さんの哲学・生き様がぶつけられている姿に
ちょっとハラハラしながらも共感を覚えます。
「 一体この国はどこへ行くのか 」
「 豊かな不幸か、貧しい幸せか 」
「 祖国とは一体何なのか 」
街並みの景観の話では、こんな西洋の諺の紹介もあります
「 美について一番敏感なのは日本人。同時に醜について最も鈍感なのも日本人。」
「 美について一番鈍感なのはイギリス人。しかし醜について最も敏感なのもイギリス人。」
「 美についても醜についても敏感なのはフランス人。」
組織の中では意見を言えないという、幕藩時代から日本人に沁み込んだDNA。
それを 「 疚しき沈黙 」 という言葉で表現しています。たしかにこの言葉には重みがあります。
【 2010年7月3日 読了 】