岩手県一関市と秋田県湯沢市を結ぶ、国道342号線。岩手・宮城内陸地震で崩壊したルートが再開通した
ことは、昨夜、お知らせした通りです。
この地震では、もう一本、宮城県栗原市と秋田県湯沢市を結ぶルート、国道398号線もやられました。

いまは一体どうなっているんだろう・・・と、行ってみましたが、依然通行止めが続いていました。
不思議だったのは、結構な数の対向車とすれ違うこと。皆さん、通行止めを知らずに走っているのか、
それとも私のようにわざわざ通行止めの看板を確認しに行っているのか・・・。

342号線の岩手県側に 『 復興之碑 』 が建てられていました。
道路沿いの一画に、湧き水の流れ出る泉を配置し、そこに碑を建立したものです。この碑を見ていると、
どうしても忘れられない一人の女性を思い出します。
麦屋弥生さん。
金沢市を拠点に観光・交流プランナーとして全国的に活躍し、地域づくり、街づくり、観光振興など幅広い分野
で素晴しい活動を展開していた方です。
あの日・・・。2008年6月14日、岩手・宮城内陸地震が発生する朝、彼女はちょうど、国道398号線と342
号線の間のあたりに位置する、駒の湯温泉に宿泊していました。そこを襲ったのが、巨大土石流です。
私は、ちょっとしたキッカケで知り合ったばかりの頃で、この事故には強いショックを受けました。
彼女の薫陶を受けた全国の多くの街づくりに関わっている人達とともに、遺志を繋いで行ければ、と思います。

復旧工事は完成したわけではありません。
342号線でも、こんなふうに、橋梁の架け替え工事が行われていました。この近くには、何度もニュース映像
で流れた 「 ズタズタに折れ曲がった橋 」 がまだ残されていました。
通行止めが続いている398号線の開通は、秋になるそうです。
2年という年月をかけて、ようやくここまで復旧しましたが、本格的な復興はまだこれから。自然の力を思い
知らされるとともに、麦屋さんのことを思い出しながらハンドルを握った一日となりました。