
柴田 翔は、若かりし頃の思い出になっていました。
それが・・・講演会があるというので、事前に申し込みをして、行って来ました。

会場は地元の大学の講義室。
出席者は、主催者発表で約160名とのこと。意外に多い。
テーマは 「 晩年の奇蹟~ゲーテの老年期 」。重いテーマなので、聴講者は少ないと思いきや、160名とは、
“ 一度、柴田翔をナマで見たかった・・・ ” という人もいたのではないかと思われます。

14:00に始まった講演会は、途中休憩をはさんで約2時間半に及びました。
柴田氏の専門であるゲーテについて、生涯を追いながら、エピソードや解釈を含めて、話は淡々と続きます。
考えてみると、ゲーテについて、こんなに詳しく話を聞いたのは初めてのことでした。とくに柴田氏が強調した
のは老年期のゲーテ。彼の重要作品と呼ばれるものは、80歳前後の最晩年に完成したものが多いことを
初めて知りました。
聴講者からは 「 なぜゲーテを選んだのか 」 とか 「 されどわれらが日々の一部分について 」 などの質問も
出され、丁寧に答える姿に柴田氏の人柄が現れていました。

「 されどわれらが日々 」 を読んだのは・・・【 1973年7月29日 】 という読了日が記されていますので、何と
37年前のこと。当時、芥川賞を受賞した若き作家の作品に、若かりし自分が魅かれたのだと思います。

驚いたのは、新刊の価格が 「 420円 」 となっていること。
物価も違うんでしょうが、文庫本並みの値段だったんですね。
まさか、この本の著者に37年後に会えるとは思っておりませんでした。久々に青春時代を思い出しながら、
再読してみることにしますか・・・。