
十七世 中村勘三郎、中村勘九郎( 十八世 中村勘三郎 )、中村勘太郎&中村七之助。
歌舞伎界の名門 “ 中村屋 ” にゆかりの人達が、それぞれの視点、それぞれの語り口で中村屋三代
とのエピソードや思いを語っています。

数多くの名舞台を残した十七世中村勘三郎。父は中村歌六、母は山本とし。なんと勘三郎は、お妾さん
の子供だったんですね。米吉~もしほ~勘三郎と改名しています。
ずいぶん難しい人だったようですね。食事や旅先でのエピソードなどが語られていますが、周りは
相当気を遣っていたのではないでしょうか。

昭和30年5月30日。女ばかりの中村家に、待望の男の子が誕生します。
波野哲明(のりあき)=勘九郎、のちの十八世勘三郎です。
ずいぶん、やんちゃな人だったようですね。とくに幼少の頃は・・・。友達も巻き込んで、相当のワル
だったというエピソードが次々に語られます。
そんな勘九郎が次第次第に存在感を現し、稀代稀な役者へと成長して行く姿が描かれています。
そして二人の息子。勘太郎と七之助の可愛らしくも、頼もしげな姿。
梨園と呼ばれる歌舞伎界の、生々しい人間模様を見ているようで、とても面白い本でした。ただ、
分かりにくいのは名前。中村○○という名前が次々に出てきます。しかも幼名があって、襲名して
名前が変わって行くので、頭の中がこんがらがって来ます。
巻末に家系図が載っているので、それを首っ引きで見ながら、関係と名前を確認しつつ、読み進んで
行きました。
歌舞伎座が建て替わる前に、一度見ておきたい・・・できれば、いまの勘三郎の舞台を・・・という
思いがフツフツ!!と沸いて来ました。
【2010(平成22年)2月17日 読了】