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 『 悪党諸君 』永 六輔 著、青林工藝社。

 一房・・・笠松刑務所

 二房・・・京都刑務所

 三房・・・沖縄刑務所

 四房・・・笠松刑務所

 「 一章二章 」のかわりに「 一房二房 」。

 「 まえがき 」ではなく「 入所前 」、「 あとがき 」ではなく「 出所後 」。

 「 対談 」ではなく「 面接 」。

 刑務所の受刑者を前に行った、永さんの講演集です。なかなか凝った構成。内容は少々重複して

いますが、気にならない程度で、一気に読めました。

 人間はもともと「 誰しも女だった 」という話題を軸に、縦横無尽に話が拡がって行きます。話の

拡げ方が永さんらしくて厭味がなく、受刑者を前にかなり際どい言い方もしているのに笑えるのが

いいところ。

 十項目の老化の兆し、が身につまされます。

 一、体力が落ちた。
 二、好奇心が減ってきた。
 三、物忘れが増えてきた。
 四、涙もろくなってきた。
 五、自責の念が強くなってきた。
 六、悪口が増えてきた。
 七、無理に若々しく振舞うようになってきた。
 八、もめごとを避けようとする。
 九、若者がうらやましくってしようがない。
 十、意味もなく焦りはじめる。

 さて、何項目当てはまりますか?

 永さん、1933年生まれ、今年で76歳・・・のはず。

 最近あまり見かけないけど、またどこかの刑務所で講演して、笑わせているのかも知れませんね。