佐高 信らしいといえば「 らしい 」本です。
言いにくいことを、言いにくい人に対してでも、ズバリと言うことは、なかなかできないもの。
「 歯に衣着せぬ 」「 舌鋒の鋭さ 」では当代一二を争うであろう論客「 佐高 信 」の真髄を
見ることができます。
第Ⅱ章の「 タレント文化人筆刀両断 」は、1995年頃『 噂の真相 』に掲載されたコラム。
この中で「 猪瀬直樹 」について書かれた項目があります。
《 遂に70回を数えたこの欄で、これまで四度も血祭りにあげた人間はいない。しかし切っても
切ってもミミズのようにしぶとく生き残る猪瀬に対しては、四度目の筆誅を加えることにした。》
という文章で始まり、
《 道学者めいたことを言うつもりはないが、せめてミミズから人間に昇格してほしい。その日を
期待しないで待っている。》
という文章で結ばれています。
かの「 猪瀬直樹 」をつかまえて、この言い草ですから、スゴイ!
猪瀬=ミミズです。
このほかにも「 血祭り 」に挙げられている有名人が多々います。そこまで言うか…と思うほど
ですが、一面では核心を突いているような気もします。
佐高サンの読書量もスゴイですね。「 乱読×多読 」ですが、自分の意見・感想ははっきり持って
います。
特徴的なのは、この本、いつもの「 直球 」だけでなく「 カーブ(曲球)」もちりばめられている
点でしょうか。