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 『 漫才病棟 』(ビートたけし 著)文春文庫。

 少し長くかかりましたが、ようやく読み終えました。ある意味、すごい、ドキュメンタリー的小説

だと思います。

 巻末の「 解説 」で野坂昭如が

  「 これは稀有な小説である。日本でこれまで発表された、活字となって、誰もが読み得る小説の

  中で、上から百番目以内には入る。」

という賛辞を述べていますが、「 百番目 」はさておき「 稀有 」な、極めて稀有な小説であることは

間違いなさそうです。

 玉乗り一筋60年の老人、トロンボーンを使った「屁」の吹き分け芸人、化け物のようなストリッパー、

傍若無人の興行師、怪しげでおどろおどろしい人物が次々に現れて来ます。その中で、何と言っても、

不思議な存在感を出しているのが「 相棒 」=ビートきよし、です。

 どこまでが本当にあった話で、どこからがフィクションなのか判然としません。もしかすると全部が

本当にあった話なのかも知れない・・・と思わせるフシもあります。

 面白い小説・・・というよりは・・・不思議な小説でした。