岩波新書の「ドナウ河紀行」(加藤雅彦著)。
20年近く前の本ですが、充実した紀行文です。
まだベルリンの壁もソビエト連邦も崩壊前の話。
ドイツのシュヴァルツヴァルトの森の源から流れ出し、
オーストリア~チェコスロバキア(当時)~ハンガリー~
ユーゴスラヴィア(当時)~ブルガリア~ルーマニア~
ソビエト連邦(当時)と多くの国々を流れるドナウ河。
約3000kmに及ぶ大河は民族興亡の歴史を見続けて来ました。
先月旅した5ヵ国もドナウの流域であり、英仏といったかつての
超大国とはまた異なったどこか哀しい歴史を秘めた国々でした。
実際に現地へ行ってみてから、この本を読むと、
空気とか臭いとか何かしら感じ方が違います。
しかも20年前に著者が予想した国々のその後の行く末が
結構その通りになっているのに驚かされます。
最近NHKTVでもドナウ流域の特集番組が始まりました。
しばらくの間「ドナウ河ファン」が続きそうです。