先日、2000本安打を記録した前田智徳。
このことを知ったのはブロ友のERU27さんのところにうかがったとき。
試合自体も白熱していたようで、逆転劇のさなか、味方の攻撃が連打を重ね、前田に打席が回ってきたという。
チームメイトの力で、華やかな2000本の花束が用意されたと見るべきでしょう。
そこまでカープに染まった前田。
若年のときの前田を思い出すと、ずいぶん長い月日が流れた。
孤高の侍と呼ばれ、マスコミはおろか、チームメイトとの対立もときにあったと聞く。
僕、個人のこととなってしまうことが口をにごらせてしまうけど、若年前田をよく覚えている。
まだ僕が20代前半のころ、草野球チームの友人と、「今のプロ野球選手で誰が一番すごい打者だと思う」
という、子供じみた会話をしていた。
そこで僕は思案にふけったが「カープの前田」と、言った。
このころのプロ野球は、衛星放送やケーブルテレビなど当然ない。
すなわち、ジャイアンツ戦を見て他球団の結果を知るしかすべがなかった。
そのなかで、前田の存在を知った。
カープの優勝時期と重なっていたかもしれない。
技術的なものは詳しくないにしろ、その前田の打撃センス。
これは素人目にも分かり、その答えを聞いた友人は、「そうだよな」と、まったくの同意見だった。
赤いユニフォームを着た、九州男児が招き入れた打撃への興味。
それはバッティングセンターから放たれる打球音にもつながる。
憧れだった。
さらにこの前田という男に興味を持ったのが、90年代初頭のいつか。
対、ジャイアンツ戦の涙の決勝ホームランである。
自分の犯したミス、それを振り払った涙のダイヤモンド。
これにはまいった。
そこまで野球に打ち込む姿は、ファンであれば誰もが知るところ。
とはいえ、カープファンの中にも前田を否定的な目で見る人がいるという。
チームプレーが出来ていないと。
確かにそういった面もあったのだと思う。
でもそれは、野球に真摯に崇高に取り組んでいる一人の人間。
この一言で消されてしまう意見だと思う。
求めているもの。
それが格段に上なのだと。
現に前田自身、近年では自分を「ポンコツ」と称している。
怪我を体験しているがゆえの言葉とはいえ、理想が高くなければそんな言葉は出てこない。
4番を託されようとも、自分は4番の器じゃない。
そう、かたくなに断り続けているその思い、チームのことを第一に考えているからこその言葉だと思う。
これはおそらく僕の思い込みも手伝っている。
今の前田を見ることはほんのわずかな機会しかないけど、数多くの笑顔を見ることができる。
ひとつの野球自論を持ったのだと思う。
これは数多くの選手が持てるものではない。
才能を持ちながらも自分以外の力が働き阻まれた野球人生。
彼こその美学もあるはず。
遠く回り道をした2000本安打への道。
もっとも大きなタイトルを手にした前田智徳。
その持ち前の信念を、まだまだ野球ファンに見せ付けて欲しい。