今の仕事になってから、慢性腎不全、透析の方とたくさんお会いしています。
そもそも慢性腎不全とは?
腎臓の機能が低下し、本来の約30%以下まで低下した状態のことをいいます。
◎腎臓の働き
体内の毒素成分から尿を作って、おしっことして毒素成分、体に不要なものを排出したり
血圧を調整したり、
血液を作ったり、
身体の体液のバランスを保ったり
ビタミンDの活性化をしたり(骨に影響する!)
と、こんなにも働きがあります。
◎透析って?
腎臓が腎臓としての働きができなくなってしまった時、
身体の中に毒素と水分がたまります。
この、毒素と水分を取り除くのが透析です。
透析されている方は、透析前後に血液検査をしているのです。
慢性腎不全や透析患者様にとって
注目すべき検査値は、
BUN(尿素窒素)
クレアチニン
カリウム
体重変化
だと思います。
その中で、今回注目したのは、カリウムです。
カリウムが上昇する原因は
①カリウムを多く含む食品をたくさん食べる(生果物、生野菜、芋、豆類)
②エネルギー不足
③消化管出血や透析不足
本来、腎臓が正常に機能していれば、カリウム値は正常でいられるのですが
腎臓がうまく機能していない人は、体内でカリウムが上昇します。
カリウムが高いと、心臓を止めてしまう危険があります!!
ですから、①,②にならないよう、食事での注意点は、
・カリウムの多い食品をとらないこと、
・カリウムは、水に溶ける水溶性のミネラルなので、水に溶かし出す!!!
(水にさらしたり、ゆでこぼしたりする)
・必要エネルギーをしっかり取る(ただし、蛋白質の摂りすぎはよくないので、糖質、脂質でエネルギーをとる)
つまり、透析患者さんは、カリウム値が高くないよう注意する!
というのが、一般的な説になります。
しかし!!
先日お会いした透析患者さん。
透析後のカリウム値が大きく低下していたのです。
基準値が3.6~5mEq/l ですが、
2.6まで低下!!
これは低カリウム血症ですな。
低カリウム血症は軽傷ならば、脱力感、筋力低下、悪心、嘔吐、便秘等
重症ならば、四肢麻痺、不整脈、呼吸器麻痺、腸閉塞
などの症状が生じます。
これは透析のし過ぎにあたるのでしょうか?
薬が多いのでしょうか?
(カリメイト、アーガメイトゼリー、ケイキサレート・・・)
原因は私には判断できませんでしたが、
この場合は食事によるカリウム制限をゆるめていいのでは?
と、ご利用者様にお伝えすることで
少し心を軽くしてあげられることができました。
透析されている方は、あれこれと食事療養について聞いてきているはずだから、
カリウム制限をしなくてもよい!というだけで、かなり楽になりますよね.
やはり、血液検査データを確認させていただきながら、
その方に一番合った指導をしていかなければいけないなと痛感しました!!