1.腎臓病の病態と治療


講師

 中尾俊之先生

 


慢性腎臓病(CKD)の主な疾患、治療法、輸液、食事療法について話していただきました。


基本的なことは省略。

今回の講演で『へえ~』と思ったことだけ書き残しておきます。



☆糸球体濾過量の計算方法

http://www7a.biglobe.ne.jp/aijinkyo/gfr.htm

 注意!

  ・ eGFR>60%では、実測値との誤差が大きくなる!

  ・若い人、筋肉質の人も誤差が大きくなる.

☆糸球体濾過量(eGFR)が30%以下の時、つまり

 腎臓の働きが30%まで低下した状態では、食事療法が効果的!

 (逆に、30%以上のときは、食事療法も大切だけど、薬物療法も大事なんです。)



☆透析導入時のクレアチン値と死亡率は関連がない。

  透析導入時のBUNと死亡率は関連がある。(BUNが高いほど、死亡率が高い)

  →つまり、透析導入する前は、低たんぱく食を実行し、BUN値を下げておいた方が良い。



☆カリウム値について。

 カリウムの基準値は5.5以下だけど、実際は・・・


 K6mqE/l以下なら安全 6.5でやや危険 7.0で危険 8.0で異常を示す!


☆カリウム吸着ゼリーの効果

 1個につき 200mg程度のカリウムを吸着。

  食事から摂取するカリウム量は2000㎎

 

 →食事によるカリウム摂取量を抑えることが大切



☆透析患者の食事療法

 ・水分・塩分は控えれば控えるほど良い

 ・たんぱく質摂取量を適量に減らし、炭水化物を多くする。

  脂質は20~25%エネルギー比率の範囲内で。(飽和脂肪酸のとりすぎに注意)



☆低たんぱく食のを継続的に実行するためのポイント

 ・繰り返し指導する

 ・担当の管理栄養士がいる

 ・月に1~2回の蓄尿検査を行う 

 

  最初の1~2か月は毎日意識的に食事をとってもらう。(がんばって!という励ましが必要!)

  →毎日行えば習慣になる。 

  →習慣化すれば、特別な努力はいらなくなる!(がんばって!という励ましは不要。)