2024年4月初旬夕方ころ、新宿にて
とある個室で、30代千葉松戸住み男性と会う。
私がいわゆるふつうの女装をするきっかけになった「始まりの男」とは、相手も自分も「女装初めて」というのがあったので若干の粗があっても目をつぶってくれたように思うが、今回は会う前から「女装です」という看板を掲げていることもあり、やや緊張。
会った瞬間「すげえブスだし男のままじゃねえか!」と言われて去られるんじゃないか、とヒヤヒヤした。
服やメイク道具などけっこうな荷物を持って移動し、約束の1時間ほど前に入室し準備、その諸々の経費が自腹の上そんなこと言われてしまったら、と考えるとあまりに情けない。
アラフォーで女装をしてるだけですでに情けないのに、外見の醜悪まで追加されたら生きていけない。
そんな恐怖から顔出しで会うことに怖気付き、目隠しをして、顔の上部分を隠すことにした。
コロナ禍にマスク盛れ、という顔の一部を隠すことで、盛れる効果が実証されているので同じ原理で目隠しをして盛り効果を高めてみる。
目隠しでややえっちな効果も高めつつ、目隠し盛れが功を奏し、暴言吐かれることなく事に至る。
そこでひとつ発見があった。
ノンケ男性は女装とのキスにあまり抵抗がないようだ。
今まで何度か、ゲイとしてノンケ男性と会うことがあったが、当然相手は男性に興味がないので抜くだけ抜いてさっと解散することがほとんどで、キスなんてされたことは一度もなかった。
しかしほんの少し男らしさをコンシーラーで隠すだけでノンケは平気になるらしいのだ。
女性として扱われやさしいキスをされ、エッチな行為まで出来てしまう。
わたしを女装の沼に沈める錨が、より一層重くなるのを感じた。
わたしはこの沼から這い上がれるのだろうか
それとも…