後悔しないために日々全力を尽くそう、なんて社員に言っている自分ですが、いまとても悔んでいることがあります。
昨日、札幌に出張しました。
お昼過ぎには仕事を終え、あとはアポもなく帰るだけになったのです。
そこで以前から入院している友人のお見舞いに行くことにしました。
会えるだろうか?そう思い電話をしました。
繋がるものの出てくれない。
具合が悪いのか、はたまた治療中なのか、、、。
札幌で時間がとれるなんてことはあまりないのでできればお見舞いに行きたい、今月のはじめにに電話で話した時にすごく具合が悪そうだったので心配だったのです。
「迷惑でなかったら顔だけでも見に行きたいと思ってます。よかったら連絡ください。」とメールしました。
しばし応答を待つもなにも反応なし。
お昼を済ませそろそろ帰らなくては、という時間になりました。
行くだけ行ってみよう。会えなかったら仕方ない。
そう思い病院に向かいました。
受付で病室を聞くと、それまで笑顔で対応してくれた職員の方の表情が曇りました。
「いまICUに入られています。面会できるかどうかはICUのインターホンで聞いてみてください。」
そう告げられた僕は不安に思いながらもICUに向かいました。
インターホンのボタンを押そうと思った僕に職員の方が声をかけてくれました。
「どなたのご家族の方ですか?」
「○○君の友人です。」
「、、、、。 ご家族の方でないと入ることはできません。いまご家族の方もいらっしゃらないので(入室させていいかの)確認もできませんし、、、。」
困ったような、、、そしてどことなく悲哀ある口調だった。
家族がいないというのは一時的なのかそれとも今日はずっといないということなのか、一時的なら家族の方が帰ってくるの待ってもいいか聞いてみようか、と一瞬思った。
目の前の職員は明らかに困惑している表情を浮かべている。
「わかりました。来たよ、ということで」と名刺を差し出し渡してもらうようにお願いする僕。
「待ってるから、と伝えてください。」そう言った僕を何ともいえない表情で見送る職員。
やっぱりあまり良くないのだなと心配が深まるのと同時に、でも来たということは彼には伝わるよな、というちっぽけな達成感はあった。
また近いうちにお見舞いに来よう。そう思って病院を後にした。
帰りの高速を運転中に僕の携帯が鳴った。○○の名前が表示された。
なんだ、大丈夫じゃないか、と安堵すると同時に嬉しくなり、車を停め電話にでた。
「○○です。親父の方です。」
本人ではなくお父さんからだった。
「会えなかったでしょ。ごめんなさいね。」
混乱している僕に焦った口調ながらも丁寧にお礼を言ってくれた。
最後の言葉は、「息子は頑張ってますから」だった。
その言葉はなんとも言えない口調で、ものすごく不安に思った僕は札幌に引き返そうかと思った。
しばらく考えたが、僕はそのまま家に向かって車を走らせた。
車で札幌日帰り出張は疲れた。
無事自宅に着き安堵していると、○○君の会社の社員から「昨日から社長の容体が急変して今晩がヤマかもしれない」とのメッセージがfacebookで来た。
絶句。
昨日の夜は祈った。なんとか持ち直してくれ。祈った。
朝になりiPhoneを見てfacebookを確認してもメッセージは特になかった。
ホッとし身支度を終え出社した。
会社でPCを立ち上げなんとなくfacebookを眺めていると、、、
○○君の会社の社員から○○君へお別れのメッセージが書き込まれていた。
茫然とする僕にその社員の方からメッセージが届いた。
「社長は本当によく頑張りました」という内容だった。
泣けた。
なにより大切な友人を亡くしたという悲しみ。
もっと早くお見舞いに行けばよかった、
病院でなんとか会えないかとどうして言わなかったのか、
札幌に引き返していたら会えたのではないか、という後悔。
自分が情けなかった。
病院で交渉しても、札幌へ引き返したとしても、僕が彼に会えたかどうかは分からない。
でも僕は自らの手でその可能性を摘み取ってしまった。
もう彼には永遠に会えない。
若くして逝ってしまった彼の分もしっかり生きていくことが僕の責務。
でも今回の失敗の代償はあまりにも大きかった。
もうこんな失敗はしないようこころに刻むためにここに記しておく。