物語断片集『キミハマボロシ』
わたしにも消えてほしい幻があります。
今日唱えてみようと思います。では。
物語断片集『キミハマボロシ』
わたしにも消えてほしい幻があります。
今日唱えてみようと思います。では。
虹が出ていた。
ファビアンは空を見て、シシィに質問した。
「虹の橋のふもとには、宝物が埋まっているって話を知っている?」
「しらないなぁ。」とシシィ。
「虹の橋のふもとには宝物が埋まっていて、その宝物を小鬼のレプラコーンが探しているんだ。そして、宝を見つけると両足を上げたり下げたりしながら踊るんだ。」
「僕は虹を見るとレプラコーンが虹の下で踊っているような気がするんだ。」
「絵本で読んだんだよ。」
「まぁ。あなたの好きな本なのね。」
「ううん。別に好きな本じゃあないんだ。ただ、その本を読んでから、虹を見るとレプラコーンが僕の周りで踊っているような気がするんだ。」
「本当に踊るんだよ。」
「ほんとに?」シシィは笑って聞き返しました。
「そうだよ、本を読んだら、目をつぶってごらん。そのうち君の周りにも小鬼たちが踊り始めるよ。踊り始めたら目を開けるんだ。それでも踊っているよ。面白いだろ。」
「そんなことできるの?」
「できるさ、少し時間がかかるけどね。これは催眠術なんだよ。」
「僕はこの本をみんなが読むといいと思うんだ。そしたら、虹が出るたびに小鬼たちがみんなの周りを踊りだすような気がするんだ。君にも貸すよ。」
「そんなに面白いなら。」シシィは絵本を借りに行く約束をしました。
それから、シシィはファビアンに「ユニコーンとレプラコーン」という絵本を借りました。
最初は小鬼など見えませんでしたが、そのうちシシィにも小鬼を感じることができるようになりました。
虹が出るたび、シシィの周りで黒い小人が踊りまわります。そんな気配を感じるようになったのです。驚いてファビアンに伝えに行きました。
すると「ほらね。」とファビアンは笑いました。
ファビアン:小鬼が踊っているのを感じている少年
シシィ:絵本を借りてから、1か月後に小鬼が踊り始めた。
ユニコーンとレプラコーン:CWニコルの絵本
レプラコーン:虹の下の宝物を探している妖精。宝を見つけると踊る。 地中の宝物のことを知っており、うまく捕まえることができると黄金のありかを教えてくれるが、大抵の場合、黄金を手に入れることはできない。金の入った壺を持ち、一瞬でも目をそらすとすぐに悪戯を仕掛け、笑いながら姿を消すといわれている。
アイルランド南西部には「レプラコーンに注意」 (Leprechaun crossing) の交通標識があることで有名。
アメリカの学校では聖パトリックの祝日に、レプラコーンを捕まえるための罠を作ることが宿題として出されている。