尾瀬ってどう行けばいいの?初心者でも歩ける?
【1泊2日】尾瀬ハイキングガイド
「はるかな尾瀬〜…」と歌い継がれ、昭和から今なお愛され続ける尾瀬。
湿原に延々と伸びる木道は美しく、時間の流れが緩やかに感じます。
しかし、ここは標高1,400mを超える山岳地帯。ツキノワグマの生息地でもあり、やはりハイキングの備えと準備が必要。
この記事では、実際に尾瀬を歩いた体験をもとに、「初心者でも歩けるのか」「コースの様子」「見どころや注意点」などを写真とともに紹介します。
基本情報
■コース概要:
「鳩待峠」から尾瀬ヶ原をぐるっと一周する王道の1泊2日コース。
見晴の山小屋に泊まり、2日目は東電小屋やヨッピ吊り橋を巡ってのんびり戻ります。
■今回の見どころ:
6月上旬、尾瀬の水芭蕉(ミズバショウ)
■総距離: 約21km
(1日目:約8.7km / 2日目:約12.3km)
■困難レベル: ★★☆☆☆
湿原はほぼ平坦で木道も整備されていますが、2日間で約21km歩くため、ある程度の体力は必要です。
尾瀬の基本情報とアクセス
尾瀬とは
尾瀬は、群馬県・福島県・新潟県・栃木県の4県にまたがる広大な高層湿原です。
尾瀬ヶ原と尾瀬沼を中心とした尾瀬は、特別天然記念物にも指定されています。
一面に広がる湿原、その中をまっすぐ続く木道。周囲には至仏山や燧ヶ岳といった百名山がそびえています。
尾瀬には大きく分けて「尾瀬ヶ原」と「尾瀬沼」があります。
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尾瀬ヶ原…広大な湿原と雄大な景色が魅力。木道が整備されており、初心者にも人気です。
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尾瀬沼…湖畔を歩きながら自然を満喫できるエリアで、静かな雰囲気を楽しみたい方におすすめです。
今回ご紹介するのは、多くのハイカーに親しまれている鳩待峠から尾瀬ヶ原を巡る1泊2日のコースです。
鳩待峠へのアクセス
鳩待峠へは、マイカーで直接入れません。
(マイカー規制あり)
私は、新宿から高速バスを利用して尾瀬戸倉へ向かい入山。尾瀬戸倉は駐車場もあるので、マイカーの人もここまで。
尾瀬戸倉からは、乗合バスまたは乗合タクシーに乗り換えて鳩待峠へ。所要時間は約35分です。
乗合タクシーは待機していて、満員になると順次出発。バスを待たずに鳩待峠へ向かうことができました。
また、以前には「尾瀬夜行」を利用して尾瀬へ向かったこともあります。
尾瀬夜行を利用する場合は、御池または沼山峠からの入山でした。
新宿からの高速バスや尾瀬夜行など、アクセス方法はいくつかあります。
※高速バス・尾瀬夜行は運行期間が限られるため、事前に最新の運行情報を確認してください
1日目:鳩待峠から尾瀬ヶ原へ
1日目:鳩待峠からハイクスタート
尾瀬ハイキングの玄関口で、多くの人が利用する鳩待峠(標高約1,590m)からスタートです。
尾瀬はマイカー規制があるため、尾瀬戸倉駐車場から乗合バスや乗合タクシーで鳩待峠へ向かいます。
「はとまちベース」は、鳩待峠に2025年に新しくできた休憩施設。飲み物や軽食、お土産などが購入できます。
多くのハイカーがここで身支度を整えて尾瀬へ向かいます。
私も準備を整えたら、いよいよスタートです。
尾瀬ヶ原に入る前に、尾瀬の看板前で記念撮影。多くの人が記念撮影をする人気スポットです。
登山口入口には、人工芝が敷かれています。
これは靴底に付着した植物の種や土を落とし、外来植物が尾瀬へ持ち込みまれるのを防ぐため設備。
尾瀬の貴重な自然を守るため、人工芝で靴底をしっかりこすり、尾瀬の豊かな自然を未来へつなぎたいと思います。
鳩待峠〜山ノ鼻|下り道の注意点
木々に囲まれた道を、山ノ鼻へ向かって歩いていきます。
行きは下りですが、帰りは約200m標高を上げる登り返しとなります。
雨や朝露で濡れた木道、登山口付近の丸い石は滑りやすいので、足元に注意しながら歩きます。
鳩待峠から山ノ鼻までには、第一ベンチから第六ベンチまで、休憩スペースがあります。
行きは下りなので、そのまま歩く人も多いですが、帰りは約200mの登り返し。復路ではベンチで休みながら登る人を見かけます。
川上川橋まで来ました。
山ノ鼻までは、あと少し。
川上川橋手前の水芭蕉の群生地、テンマ沢はすでに見頃を終えて、葉が青々としていました。
水芭蕉は少し残念でしたが、目の前には澄んだ沢の流れ。水の音が心地よく、気持ちが少し和らぐようでした。
山ノ鼻
鳩待峠から約1時間下り、山ノ鼻に到着しました。
尾瀬ヶ原の入口の拠点として、ビジターセンターや山小屋、売店、トイレ、キャンプ場が揃っています。
ここから先はトイレや売店が少なくなるため、ここでしっかり準備を整えて出発するのがおすすめです。
尾瀬には3か所のキャンプ場があり、そのひとつが山ノ鼻キャンプ場です。
尾瀬の公衆トイレは、維持管理のためのチップ制となっています。
山ノ鼻〜尾瀬ヶ原|木道と池塘の絶景
山ノ鼻から、いよいよ尾瀬ヶ原へ。
標高約1,400mに広がる日本最大級の高層湿原、広い湿原の中を木道がまっすぐ延びています。
歩いてきた木道を振り返ると、至仏山へ続く木道がまっすぐ延びています。
この日は天気が悪く、雪の残る至仏山の全容を眺めることができず、少し残念。ですが、この景色みていると「尾瀬に来てよかった」と思えました。
湿原には「池塘(ちとう)」と呼ばれる小さな池が点在しています。
風がない日は水面に空や雲が映り、鏡のような景色になることもあります。
湿原や池塘を眺めていると、長い年月により尾瀬の自然の豊かさを感じます。
本日の宿泊地、見晴へ向かいながら、燧ヶ岳へ続く木道を歩きます。
湿原の中をまっすぐ延びる木道と、その先にそびえる燧ヶ岳。
これぞ尾瀬。
私が好きな尾瀬の雄大な景色が広がります。
水芭蕉の見頃は少し過ぎていましたが、遠くから鳥の声が聞こえる中、ゆっくり歩く時間を楽しみました。
不思議スポット「龍宮現象」
尾瀬ヶ原を流れるヨシッ堀田代川では、川の水が地下へ吸い込まれていく「龍宮現象」が見られます。
3方向から流れてきた水は、ここで地面の中へ吸い込まれていきます。
川の流れが見えず、水が消えてしまうのが不思議です。
尾瀬の自然の中には、こんな不思議な場所もあるんですね。
地下へ吸い込まれた水は、再び地上へ湧き出し、川となって流れていきます。
湧き出す水を見ていると、尾瀬は水が豊かだと実感します。
龍宮現象は、尾瀬の自然の不思議を体感できる貴重なスポット。
実は最初、私この龍宮現象の意味がよくわからず、?で頭がいっぱいでした。
龍宮小屋|絶品の湧き水
龍宮は、尾瀬ヶ原のほぼ中央に位置し、山ノ鼻から見晴へ向かう途中にあるポイント。
ここには、龍宮小屋があります。
宿泊や休憩ができ、飲み物や軽食なども購入できます。
そして…私は必ず休憩します。
ここで飲んだお水が、とてもおいしかったからです。
おいしいお水と行動食をつまむのも、尾瀬歩きの楽しみのひとつ。歩いてきた後だからこそ、一杯のお水が体にしみました。
龍宮小屋の裏手には、沼尻川に架かる橋があります。
橋の上では、水の流れる音と鳥の鳴き声が聞こえてきました。
ここから見晴までは、あと30分。
もうすぐ今日の目的地に着く安心感と、尾瀬の景色が終わってしまう寂しさ。
ホッとするような、少しさみしいような……そんな気持ちで、見晴へ向かいます。
本日の宿泊地「尾瀬小屋」へ
龍宮からの木道は平坦で歩きやすく、湿原の景色を楽しみながらのんびり歩きました。
本日の宿泊地、見晴まではあと少し。
木道の先に山小屋が見えてきました。
尾瀬は日帰りでも楽しめますが、1泊することで夕方や早朝の静かな尾瀬を楽しめます。
2日目:東電小屋・ヨッピ吊橋・研究見本園
見晴〜東電小屋|静かな樹林帯ルート
2日目は、見晴から東電小屋を目指して出発します。
昨日歩いた尾瀬ヶ原とは少し雰囲気が変わり、川を渡る橋や樹林帯など、景色の変化を楽しめるコースです。
見晴を出発すると、すぐに木道が湿原の中をまっすぐ延びていました。
人の少ない静かな道を、尾瀬の景色を楽しみながらゆっくり進みます。
東電小屋や見晴、ヨッピ吊橋など、目的地を示す道標が分岐ごとに設置されています。
行き先が確認できるので、初めて歩く人にも安心です。

沼尻川に架かる橋を渡ります。

橋の上から見ると、澄んだ川の流れがとてもきれい。本当に尾瀬は水が豊かです。
橋を渡ると樹林帯へ。
木々に囲まれた道は木漏れ日が心地よく、鳥の声が近くなったように感じます。湿原とはまた違った静かな雰囲気です。
ヨッピ吊橋と逆さ燧の撮影スポット
樹林帯を抜けると、東電小屋が見えてきました。
この周辺はツキノワグマの目撃情報があるので、熊鈴を鳴らしながら歩いてきました。
ヨッピ吊橋を渡ります。
吊り橋の先には、再び広大な尾瀬の湿原がひろがています。
ヨッピ吊橋を過ぎると、再び尾瀬ヶ原の雄大な湿原へ。
静かな森、清流、吊り橋、広々とした湿原。景色の変化を楽しめる、魅力的なルートでした。
水面に燧ヶ岳が映る「逆さ燧」の撮影スポットに到着しました。
風のない日には、燧ヶ岳が池塘に映る幻想的な景色を見ることができます。
残念ながら、この日は天気が悪く雲が多かったため、逆さ燧を見ることはできませんでした。
また尾瀬に来る理由ができたと思えば、大したことはありません。
研究見本園|遅咲きの水芭蕉を発見
山ノ鼻にある研究見本園まで歩いてきました。
尾瀬の植物を間近で楽しめる散策エリア。山ノ鼻からすぐなので、尾瀬ハイキングの最後に立ち寄るのにもぴったりです。
私が訪れたのは、水芭蕉の見頃が少し過ぎた頃。
尾瀬ヶ原では水芭蕉が終わりを迎えていましたが、研究見本園ではまだ白い水芭蕉が咲いていました。
川沿いに、水芭蕉の群生が広がっていました。
白い水芭蕉はとても美しく、尾瀬の春を代表する景色が広がります。
尾瀬ヶ原まで足を延ばさなくても、この景色を楽しめるのが研究見本園の魅力です。
間近で見る水芭蕉は、一輪一輪がとても可憐でした。
尾瀬ヶ原では見頃を終えていましたが、ここではまだ白い花を楽しむことができました。
至仏山荘でランチ&お土産
研究見本園を散策したあとは、山ノ鼻にある至仏山荘で昼食をいただきました。
至仏山荘は、食堂や売店も利用できます。
そばやうどん、カレーなど…うれしいメニューが並んでいます。
スタッフの皆さんが、手際よく料理を作っていました。山の中で温かい食事をいただけることに感謝です。
今回は、山菜そばをいただきました。
歩き続けた体に、お出汁のやさしい香りと温かいつゆがじんわりと染みました。
ハイキングの途中で食べる温かい食事は格別です。このあとの鳩待峠に向けて、最後の上りが待っています。しっかりエネルギーチャージをしました。
食事のあとは、売店ものぞいてみました。
尾瀬限定バッチや手ぬぐい、お菓子などが並んでいます。
私は尾瀬の思い出に、ポーチを購入しました。
お土産は家に帰ってから尾瀬を思い出す、大切な記念品です。
鳩待峠へゴール!ご褒美ソフトクリーム
山ノ鼻から約1時間の登りを歩き、鳩待峠へ戻ってきました。
最後の登りは少し息が上がりますがベンチを利用しつつ、自分のペースで歩けば大丈夫です。
少し休憩してから帰りの準備をします。
尾瀬で見られる高山植物
水芭蕉以外にたくさん咲く、かわいいお花たち
安全に歩くための必須装備
ツキノワグマ大作に!熊鈴
尾瀬はツキノワグマが生息するエリアなので、私は熊鈴を必ず鳴らして歩きます。
私が使っているのは、ふるさと納税でいただいた熊鈴とモンベルの熊鈴。
ふるさと納税のものは澄んだ音色、モンベルはカウベルタイプで、歩くたびに音が響きます。
熊との遭遇を避けるためにも、熊鈴はお守り代わりに持っていきたいアイテムです。
直射日光&急な雨対策!晴雨兼用日傘
尾瀬は日差しを遮るものが少なく、思った以上に暑さを感じました。
モンベルの日傘は晴雨兼用なので、日差し対策にも急な雨にも使えて便利。
軽くてコンパクトなので、尾瀬に持っていってよかったアイテムです。
まとめ|感想と注意点
6月上旬の時期・見どころ
今回は、水芭蕉を狙って1泊2日で尾瀬を歩きました。
6月上旬でしたが、水芭蕉は見頃の終わり。
少し残念でしたが、ワタスゲがポンポンと咲き始め、季節が移り変わる尾瀬を見ることができました。
そして、遠くからはカッコウの声、池塘ではカエルの大合唱も聞こえてきました。
花を見るだけではなく、鳥の声やカエルの声に包まれながら尾瀬の空気は、とても心地よかったです。
「水芭蕉が見頃を過ぎていたから残念」ではなく、その瞬間に出会えた尾瀬がある。
そんなことを感じた、1泊2日のハイキングでした。
木道の歩き方と雨への備え
尾瀬は木道が整備されて、比較的歩きやすいコースです。
ただ、木道がボコボコしていたり、斜めになっている場所もあります。私も斜めになった木道で転びました。
そして、天候の注意へも必要です。
2日間とも曇り空でしたが、帰り道、鳩待峠まであと5分ほどのところで突然の大雨。
幸い樹林帯にいたので大きく濡れずに済みましたが、鳩待峠では傘を差しながらずぶ濡れになって歩く人も見かけました。
尾瀬は初心者でも歩きやすい場所ですが、山の中であることを忘れず、足元と天候への備えは必要ですね。

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