【Tree of Life:生命樹】: 台湾《大衆銀行》のメッセージ | 華流パラダイス D様応援団

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せんえつながらディーンフジオカ様とダライ・ラマ法王様のダブル【D】様をヨイショさせていただきます(汗滝)



『樹木は話をできるんだ、聞いたことがあるかね?』






《はじめに》
このCMは三つの実際に起きた出来事をもとにしています。

人は、体力的に極限状態に陥った時、
自動的に《第六感》というものが働くようになるようです。

それは、生きるための最後の本能なのでしょうか?
古今東西、老若男女を問わず訪れる感覚・・・

その状態では、ふだん、言葉を発せないモノも
言葉を発し、何もない暗闇にも、さまざまなモノが見えたりします。
すこし先、遠い先の未来が予見できたり・・・

そして、その感覚も、ふつうの生活レベルに戻ると
いつの間にか、消えていってしまったり。。。。

しかし、この物語の彼は、《その時の会話》を
決して忘れることができなかったようですね。


《物語り》
1999年9月21日 台湾は大地震に見舞われた。
トラック運転手の陳さんは不運にも
奥深い森林のなかで激震に襲われた。

トラックは、崩れた道を遥かにそれ、
森林のなかに飛び込んだ。

不幸ちゅうの幸い?
陳さんは運が良かったのか?

途中で車外に放り出され、森林のなかに飛ばされた。
しかし、トラックは巨大な樹木に衝突し大破した。
運転席付近は樹木によって二つに断裂してしまっていた。
もしも、シートベルトをちゃんと閉めて
座席に座っていたら、一巻の終わりだったろう。

しかし、
身体中が擦り傷と切り傷、捻挫、打撲。
無数の傷から発する不協和音は耐えがたいほどだった。

『このまま死ぬのかな?』
彼の衰弱した脳裏に、思わずそんな言葉が浮かんだ。

両手両足とも痺れてしまった。
彼は大の字に倒れたままだった。何もできなかった。

目に飛び込んだのは、巨大な樹木だった。
『これが、この世の見納めかな?それにしても見事な巨木だ』

しかし、そのとき、彼の心のなかに
不思議な声が響いた。

それは、どうやら、目の前にある、巨木の声のようだった。

『樹木は話をできるんだ、聞いたことがあるかね?』

その声は彼の心のなかに直接響いて来た。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆


陳元、67歳。彼は、半生を掛けて育てた貿易会社を
売り払い、
手に入れた金で次から次と苗を買い、植樹をつづけた。
息子や重役たちをはじめとした、周囲の反対を押し切り、
休みなく苗を買い、植樹をつづけた。

子飼いの運転手さえ、もはや、あきれ果て、口も利かなくなった。

クワと苗を持ち、もはや、それほど多くもない資金で森林を
買い占めた。

毎日、汗をかきながら苗を植え、樹木と言葉を交わした。

周囲の人間たちの白い目を余所に、彼は森林のなかで
樹木と語らいながら、上機嫌だった。

そんなある日、もはや、数少なくなった家族と
夕食を食べている時、古来からの自然林を売り払い
巨大な住宅地を作る計画を目にした。

彼は、その計画地点に赴くと半狂乱となり、
森林伐採業者ともみ合いになった。

高級外車から降りた宅地業者は、彼を罵ると
そのまま伐採を続行した。

それは見事な樹齢数百年の樹木が
チェーンソーにより、次々切り倒されていった。

彼は、当然のように身柄を拘束され警察の留置場に
送られた。

妻が駆けつけてきた。
彼の事を発狂したのかと思い、なじり続けた。

おりから、雷雨がやって来て雷鳴が轟いた。
彼、陳元は、もはや、真っ白になった頭髪で
「あの過去の樹木との会話」を話し始めた。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

『彼はわたしに命をくれた。』

気が付くと、彼のそばに果実が落ちて来た。

やっと、手足の動くようになった彼は
それをむさぼるように食べた。

『わたしに水をくれた。』

その大きな葉に朝露を溜め、ノドに流し込んだ。

『わたしに空気をくれた。』

やがて、足をひきづりながら、歩けるようになった。
激しく息をしながら、鈍く遠かった手足の感覚が
しだいに蘇り始めるのを感じた。

しかし、道なき道、原始林のなかの斜面を
登るのは体力的にきつかった。

みれば、そこら中に、植物のツルが伸びている。
それを手にして、なんとか急斜面を上った。

そのとき、ふたたび声が聞こえた。

『忘れないでくれ、わたしたちにも生存権があることを』

ほどなく、人の通る道路まで行き着いた・・・・


*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

それ以来、彼は、樹木との会話を胸に生き続けた。
命掛けで作った会社を売り払い、次々と植樹をし
山林を買い取っては、ふたたび植樹をつづけた。

不幸にして、無計画に伐採された森林のあとには
裸の地面が残り、大雨が降るたびに災害が起きた。

彼は、ひたすら苗を買い付け、植林をつづけた。





『樹木は話をできるんだ、聞いたことがあるかね?』

【平凡ではない平凡な大衆のために】


(大衆銀行20周年記念番組)






人が樹木を守るのではない、
樹木がわれわれを守ってくれる・・・

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