【把乐带回家】喜びを持って帰ろう@ショウ・ルオ | 華流パラダイス D様応援団

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せんえつながらディーンフジオカ様とダライ・ラマ法王様のダブル【D】様をヨイショさせていただきます(汗滝)



百事2012贺岁大片-把乐带回家( 高清完整版)







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中国、大連で、相方のお婆さんから、
こんな言い伝えを聞いたことがある。

この宇宙のどこかに、
人の良い想念、悪い想念が、雪のように
降り積もる場所があるんだそうだ。


そして、
その積り積もった「想い」が年越しのときに
自分の身に戻って来るんだと。

それが、もし「良い想い」なら、それらは、
素晴らしい楽しみとなって、自分の元に
戻ってくるだろうし、

もし「悪い想い」なら、それは
恐ろしい災厄となって、自分の元に
戻ってくるだろう・・・・。

だから、
一年に一度、正月には、

「お年玉」
压岁钱
yā suì qián
ヤースイチェン

をみんなに配るんだ。


そうすれば、
みんなの「良い想い」によって
「悪い想い」が、相殺される、

「祟りを封ずる金」
压祟钱
yā suì qián
ヤースイチェン

になるんだとさ・・・・。



*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆


人には、みな、それぞれの希望と予期せぬ出会いがあるものだ。

楽しいはずの出来事、
それが、いったい、どこで我々を待ち受けているのだろうか?

それすらも、永遠に知らないでいる・・・・




遠い汽笛が、さらに、遠ざかって行く。
その駅は終着駅。
最終列車だった。
昼から降り始めた雪が、かなり降り積もっていた。


列車が通り過ぎたあと、
駅長が、ホームのベンチを見ると
なんと、そこには、たった一人だけ、
若者が座っていた。

もし、彼が乗り過ごしていたなら、一大事だ。
こんな所に座っていたら、凍死してしまう。

駅長は、見るからに人の好さそうな初老の紳士。
彼の境遇を想うと同時に、
驚き、声をかけた。

「若い方、今の列車が最終なんですよ。
どちらまで、行かれるんですか?」

彼は、妙に、よそよそしい口調で答えた。
「私の目的地は、ここなんですよ」


駅長は、やや安堵したが、いずれにしても
こんな寒い夜に、お客さんを放置しておくわけには
いかない。
「こんな屋外、寒すぎますよ。
中に行きましょう、中は暖かくしてありますよ。
さあ・・・・」

彼も、やっと、笑顔を見せて促されたとおり
待合室にはいった。

中には、石炭ストーブがあり、駅長みずから
お茶を淹れてくれた。
同僚は、先に別れを言って、帰って行く。
「気をつけてな」

駅長の声に、ふたたび、彼が笑顔を見せた。
「今夜、留まるところは、あるの?」

彼が、首を横に振ると、駅長は、大きく目を見開いた。
「ここには、泊まれないないんですよ。すごく寒くなるんです」

駅長の答え、聞こえているのだろうか?
彼は、笑みを浮かべ、暖かいカップを握ったままだ。

駅長は、一瞬、左右を見渡してから、
人の好さそうな丸い目で彼を見つめた。

「それなら、今晩はうちに来ないかね?
ここで、一人で居たんじゃ、凍えてしまうよ?」

寡黙な青年は、笑顔を見せた。
オーケーの意思表示だ。

駅長の自宅は、それほど遠くではない。
しかし、田舎道、照明が少ないので
懐中電灯であたりを照らしながら歩く。

もうじき、正月なので、家々の門口には
赤い提灯が飾られている。

彼の自宅、居間にはたくさんの家族の
写真がある。しかし、人気がない。
どうやら子供たちはみんな成人し、
親元を離れて活躍しているらしい。
奥さんには先立たれたようだ。
男一人の家にしては、とてもきれいな家だった。

若者が後ろを振り向くと
寝具のセットを持った駅長が笑顔で語りかけた。

「全部綺麗に洗濯してあるんだ。
本来なら、子供たちと新年を
祝うはずなんだが・・・」

「彼らはどこに?」

駅長は、その問いかけには答えず、相変わらず人の好さそうな
目を丸くしながら
「腹減ってないかね?
君にギョーザを煮てあげようか?」

子供たちが何時帰って来ても良いように、
冷蔵庫にギョーザが幾皿も入っていた。

それらを鍋で煮ながら、思わず窓の外を
見上げる。
外はすでに大雪だ。


翌日、彼は子供たち全員に電話を掛けた。

長女は、雑誌社で編集長をしている。
渡されたゲラの写真を見て、差し替えの指示を
出している。
そこに、彼女の携帯が鳴った。
『パパか?』顔色が曇った。

「パパ、今年は、春・夏号の発行が少し早くなるのよ。
だから、全員、家に帰れないのよ。あと一週間は
なんとも返事できないの。
今年は帰れないわ。ごめんねパパ」

次女。
外人の多い喫茶店で電話を受けた。
「パパ、あたし、友達と旅行に行く約束をしたの。
来年の春節には、必ず、家に帰るから、いいでしょう?」

父は、落胆を押し殺したまま、曖昧な笑顔を作った。

長男。
ロケバスで移動中だ。騒音の中、片方の耳を手で覆いながら答えた。
「パパ、これは新年の出演なんだ!たぶん、僕にとって
一生に一度のチャンスなんだ!
聞こえる?パパ、あとで、また、連絡するよ!テレビ見てね!」


「いいよ!」父は相変わらず笑顔。しかし、相当、無理な
感じが漂っている。「パパはわかってるとも・・・」
成人した子供らが、精一杯頑張っているのは、うれしいが、
やはり、一抹の切なさが。
大きな深呼吸を。それとも、溜息を呑み込んだのだろうか?

テーブルの上には、たくさんのコーラやジュースが。

結局、今夜、そんな父のお供をしてくれたのは、
あの寡黙な青年だけだった。

話しを終わると、ぽつりとつぶやく。
「今年の年越しは、こうなる訳か?・・・・」

すると、青年が珍しく声をあげた。
「そうとも限らないでしょう?」

父は、その言葉に返事をせず
「皿は、片づけなくて良いよ。
あした洗うから」
そう言うと青年の肩を優しく叩いて、
自分の部屋に戻って行った。

翌日、
なぜだろう?青年はスーツにオーバー、
オレンジのたくさん入った紙袋を抱えて、
いそいそと歩いていた。
オフィスビルから出て来た長女と軽くぶつかり、
オレンジが一個、こぼれ落ちた。

彼女が「これが」と、彼に返そうとすると、
青年は、なにやら含みのある笑顔。
そして
「これは、君の物さ」
そう言い残すと、さっさと年の瀬の雑踏に消えていった。

長女が、オレンジを見ると、笑顔が描きこんである。
それは、むかし、彼女が父に描いて送った笑顔のオレンジ。
笑顔の丸い目は、父にそっくり。父は娘の口元についていた
ご飯粒をとると、大きく笑った。娘も笑った。
親娘、心の一つになった、楽しいひとときだった・・・。
彼女は、急いで青年の背中を探したが、すでに、掻き消すように
消えていた。なぜ、彼がこんな絵を知っているのだろう?


父は、雪のやんだ後、村中に、ジュースやお菓子を配っている。
村中の人々に声を掛け、新年の喜びを分けていた。

長男は、ステージでダンスのリハーサルだ。
やっと、形が決まった。
全員に小休止を与え、自分も額の汗をぬぐった。

ふと、気がつくと、あの青年が、イヤフォンを付けて
観客席に座っている。局の関係者なのだろうか?
青年はコーラのボトルを彼に投げつけた。
キャップを開けて飲もうと彼に、
「一口で飲むんじゃないよ・・・」
と、声を掛けた。

長男は、昔、父に同じセリフを同じイントネーションで
言われたことを思い出した。
あれは、真夏の暑い日だった。はげしい蝉しぐれの中、
父のくれたコーラのボトルを、全部、一気飲みしてしまった。
「一口で飲むんじゃないよ・・・」
と言う、父の言葉に、「うん」と答えながら、一気に
カラにしてしまった。
「うわ~♪」と讃嘆の声を上げた長男を父は、笑ながら帽子で
こずき、二人とも大声で笑った。そんな家族の楽しいひととき。
長男が、青年を目で追いかけたが、すでに、遠くに行ってしまった。
なぜ、あのセリフを知っていたのか?聞きたかったのに・・・。

父は相変わらず、村人たちにプレゼントを続けていた。
遠慮して、押し返そうとする者もいたが、笑ながら、
年越しだからと、そのまま、次の家に回って行く。

次女は空港にいた。これから友人たち数人と外国に行くはずだった。
ふと、旅の途中で食べるものを、と、そばのコンビニに入った。
「これは、君のポテトだよ」
と、あの青年が微笑んでいる。
思わず、手にとってしまった彼女。自分の大好物をなぜ?
あの青年が知っているのだろう。
まだ、お提髪の幼いころ、村の駄菓子屋で、同じポテトを
見つめていると、父が
「これは、君のポテトだよ」
と言って、お勘定をしてくれた。
彼女は、昔の楽しいひとときを思い出し、微笑むと
店員に代金を払おうとした。
「いえ、代金ならすでに彼が」
彼女は、怪訝な顔になったが、やはり、青年の姿はすでに
消えていた。


村では、相変わらず、父のプレゼント配りが続いている。
若者から年寄りまで、みんな「新年おめでとう」と
喜びながら、プレゼントを受け取って行く。

村を一周した父の前に青年がぶらりと現れた。
「これから、家族団らんの時間なので、帰ります」

父は一瞬、首をかしげたが、うん、と、うなずくと
「新年おめでとう」
「新年おめでとう」と声を掛け合って別れた。

青年が帰ってしまったら、いよいよ、彼の夕飯は
一人だけになってしまう。
一人だけで、テレビの前で鍋を作っている父。
茫然と、前を見るともなく、箸を手繰っていたが、
ドアの動く気配が?

たしか、子供たち、全員、仕事があるはずなのに?

彼は、茫然と、ドアを見つめていると、
照れくさそうな顔の長女が入って来た。
「あれ、お前、忙しかったんじゃ?」
「あたし、会社の人間、全員に休暇をあたえたの」

父は喜んで娘と抱き合った。

後ろから「チーズ!」と言う声が聞こえた。
あれは次女の声?

大きな一眼レフが瞬き、親娘の写真が写された。

「ドアを閉めなさい!みんな凍えるだろ!」
姉の叱咤に、口をへの字にする次女。

彼女はドアを閉め、大きなリュックを地面に
おろすと、父に走り寄って抱き合った。

次女は、出会った、青年の奇怪さを語った。
「彼のセリフ、後ろ半分が謎なのよね~・・・」

長女も、同じ感想だった。父を振り向くと
父の大きな笑顔に出会った。
物も言わずに彼女の唇についていたご飯粒を
手にとると、二人とも大笑いした。

次女が、ポテトを食べようとすると
「ご飯の前に、つまみ食いはダメだ」
ときつい一言。
彼女が、いやいやながら、ポテトを
袋に戻すと、
なぜか、大きなクルマが自宅前に停車する気配が?!

ドアを開けて、外を見ると、大きなトレーラーが
外装を開けようとしている。
長男が駆け寄って来た。
「パパ、・・・・帰って来たよ」
息が白い霞となって流れていく。

長女が、父に向かって
「大きな吉と大きなご利益、おめでとうございます!」

長男、コーラを片手に構えて
「ペプシ・コーラ(「百回の口の喜び」の意味)!」

次女、ポテトを持って
「歳末に楽しい事があるように(「喜びのポテト」の意味)」

さっきまで、孤独を噛み締めていた父は
こんどは、喜びを噛み締めている。

その気持ちは子供の時と同じ。
長女「大スターは、いつサインしてくれるの?」
長男「お姉さん、冗談はやめてよ!」
次女「編集長、いつになったら、あたしの写真使ってくれるの?」
長女「それは、よ~く考えさせてもらうわ」
父「あっはっはっは・・・・」

やがて、家族が玄関をあけて、長男がオーケーのサインを出すと、
すでに、トレーラーは屋外ステージに早変わりして、
村中の人々がテーブルを出して座っていた。

大きな歓声のなか、みんなで、お菓子と飲み物を配って歩く。
ギョーザを温めるコンロも用意されている。


大きな花火が揚がると、コンサートが開始される。
長男が仲間と踊り始めた。
ダンスも、笑顔も最高潮になる。
村人全員の笑顔が咲き誇ると、「あの青年」は
微かな笑顔を浮かべ、宵闇に消えていった。
あとには、花火と歓声が続いて行った。





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