ガーグルというのは、「うがい液」とでも言った意味。先日のセミナーの際、ライオンの方がいらしていて、SPTセルフケア用のサンプルを戴きました。

SPTというのは、Supportive Periodontal Therapy の略で、完全には治っていないけど病状が安定しているときに、メンテナンス的な治療を行うということ、らしい。しかしクリニックに定期的に通うプロフェッショナル・ケアだけでは不十分で、セルフケアをしっかり行うことも重要なはず。

で、そのケアのときに有用なアプローチとして、ジェルと歯ブラシとガーグルのセットをサンプルで戴きました。
そのメディカル・ガーグルを使用したところ、これまでずっと使っていたリステリンに比べて、かなりイイ感じである。200倍に希釈して使うのだが、アルコールのような刺激もないし、透明なので洗面台も汚れない。

問題は殺菌力だが、下のデータによれば塩化セチルピリジニウムは優秀な殺菌力を備えているようだ。
$ランボー、クレー、モーツァルト あるいは不思議の環

ただしこれだけではダメ。口腔内にはバイオフィルムという細菌のコロニーが作られており、その中にいる歯周病菌は、殺菌剤に対する抵抗性を備えているのだ。

そこで、バイオフィルムの内部まで浸透できる殺菌剤が必要となる。そこで出てきたのがイソプロピルメチルフェノール。
バイオフィルムはマイナスに帯電しているため、カチオン(プラスイオン)性物質である塩化セチルピリジニウムを跳ね除けてしまう。しかしイソプロピルメチルフェノールは電荷を持たない非イオン性物質。だからバイオフィルムのアニオンバリヤを突き抜けて殺菌することが可能となる。

で、そのイソプロピルメチルフェノールが配合されているのが「SP-Tジェル」。これを使って歯を磨き、その後で「SP-Tメディカルガーグル」で洗口すれば完璧になるはず。

ただしSP-Tジェルにはラウリル硫酸ナトリウムが含まれていて、現在その安全性について調べているところ。専門家の間でも意見が分かれているようで、なかなか簡単には結論が出せないようだ。