ま、ちょっと天の邪鬼風に書いた古い文章なので、気楽に読み流してください。


さてさて、なんで野生の植物には毒物がいっぱい入ってるんだろう?

ニンジンに含まれるアスコルビナーゼはビタミンCを壊すし、ワラビやゼンマイなどの山菜類にはビタミンB1を壊すアノイリナーゼが入っているので、馬は絶対に山菜を食べないという。

ジャガイモの芽が有毒なのは有名だし、ある種の豆類に含まれるカナバニンの毒性も強くて、牛や馬が死んでしまうくらい。
白いマッシュルームには三種類の発ガン物質が含まれているし、ほうれん草にはカルシウムを奪うシュウ酸が入っている。

こんな言葉がある。

野生の植物には、全て毒物が入っている。その中で毒性の少ないものを、私たちは「野菜」と呼んで食べているのだ。

野菜に毒物が入っている理由。これは簡単なコト。つまり、動物に食べられてしまわないためだ。ちゃんと繁殖できるように、動物が食べたら困るような毒物を体内にため込んでいるのである。


もちろん、農薬の問題もある。有機農法なら大丈夫?

いやいや、ちゃんと選ばないと、かえって危ないんだよね、有機農法って。


植物の栄養源として大事なものの一つに、「窒素」がある。そして土壌中に窒素が過剰な場合、植物の中にも窒素が大量に吸い込まれ、蓄積されることになる。植物の中にある窒素のことを、「硝酸態窒素」という。

動物が硝酸態窒素を体内に取り入れると、それは「亜硝酸」に変わる。ハムやソーセージの発色剤に使われているモノだ。

さて、これをアミン類と一緒に摂ると、胃の中で強力な発ガン物質を生み出してしまう。
なお「アミン類」というのは、魚や魚卵などに多く含まれるもので、日本人の食生活からは切り離すことができない。

それだけではない。亜硝酸はヘモグロビンと結びつき、血液の正常な酸素運搬機能を阻害してしまうのだ。タバコを吸っているようなもんである。

もう一つ。亜硝酸はアレルゲンの一つでもある。喘息や花粉症が酷くなることもあり得る。

ちなみにこのとき、ビタミンCが十分にあれば、発ガン物質は作られない。「十分に」というのは厚生労働省の推奨摂取量などより、ずっと多い量である。

さて有機農法の場合、堆肥に入っている肥料成分の量がバラバラである。化学肥料だったら、そういうことはない。
肥料成分がバラバラだと、肥料を投与する安定したプログラムが組めない。すると、「多めに堆肥を使おう」ということになってしまいがちなのだ。

多くの有機農法では、堆肥の使いすぎにより、硝酸態窒素が過剰になっている。
ただ最近ではこのこともやっと知られるようになってきて、このあたりのことをちゃんと対処している農法を行っているところもある。

ハムやソーセージにも亜硝酸は使われていると書いた。私はあまり食べないようにしている