・粘膜の強化


 まずはウィルスや微生物の入り口である粘膜。ここを強化すること。鼻や喉の粘膜が強くなれば、ウィルスや微生物の侵入を防ぐことができる。


さて粘膜強化のために必要な栄養素は、何と言ってもビタミンA。これを大量に摂取しないとダメ。

ビタミンAはサプリメントで摂取する必要はなく、食事から十分な量を摂ることができる。またビタミンAの大量摂取は副作用が起こりうるけれど、食事から普通に摂取するぶんには、その心配はない。


↑、と書くことにしている。副作用に過敏な人が多いので。本当はサプリメントでビタミンAを補給したいし、サプリメントで補給しても、普通の摂取量だったら、まず副作用は出ない。



 ビタミンAの良質な補給源としては、鳥や豚、牛などのレバーや、卵、牛乳、バターなど。居酒屋で出てくるアンキモ(鮟鱇の肝臓)なども良いもの。寒さを感じる季節になってきたら、これらの食物を積極的に食べるようにしていきたい。


なお、ウナギはあまり良い補給源ではない。ウナギのような淡水魚に含まれるビタミンAは、人間が利用できるものとは少し構造が違うのだ。いっぽう、鮟鱇やタラなど海水魚に含まれるビタミンAは人間が利用しやすい構造のものである。


 ちなみにβカロチンだけでは不十分。βカロチンはビタミンAに変換されると言われるけど、その変換効率は必要最小限度。風邪の予防となるほどのビタミンAを作り出すには心もとないのだ。



 なお粘膜には乾燥が大敵。できれば加湿器を部屋に備え付けると良いのだが、濡れたものを部屋に干したり、ストーブの上にやかんを置いて沸騰させておくだけでも効果はあるはず。


 加湿器のなかには、アロマオイルを入れるタイプのものがある。これにフランキンセンスやペパーミントなどの精油を入れると、咳や鼻づまりの症状を抑えることができるよ。 



 免疫物質をつくるために ~基本栄養素


白血球などの免疫物質を作るためには、まずは十分なタンパク質、そしてビタミンC


ただし風邪の予防のためにお勧めの量としては、一日に2~3g程度。ビタミンCは大量に摂取しても、せいぜい下痢程度の副作用しかないので、もう少し多めに摂取しても大丈夫。


 もし油断して風邪を引いてしまった場合、ビタミンCの必要量は急増する。身体が大量のビタミンCを必要としているため、かなり大量に摂取しても下痢しなくなるのだ。


だいたい一日に5~10gを目安として、1回に1~2gを2~3時間ごとに小分けにして飲むようにしよう。


なおこれだけの量を飲むとなると、カプセルや錠剤タイプのものより、パウダータイプのものの方が便利。ビタミンCのパウダー(ビタミンC原末)が薬局で安く買える。ただし酸っぱいので、甘いジュースなどに溶かして飲むようにしたほうがいいだろう。


 なおタンパク質については、できるだけホエイプロテインを選んで飲むこと。ホエイプロテインにはシステインというアミノ酸やガンマグロブリン、ラクトフェリンなどの免疫向上物質が入っており、風邪のときにはもってこいなのだ。


 アミノ酸ではシステインのほかに、グルタミンとアルギニンも免疫向上に効果的。風邪を引いてしまったら「グルタミン5g+アルギニン2.5g」を2~3時間置きに飲むようにすると、治りが早くなるはず。


 他にミネラルとして「亜鉛」が重要。「胸腺」という免疫を司る器官があるんだけど、これは加齢によってだんだん萎縮してしまう。

しかし亜鉛を十分に摂取していると、その萎縮を抑えることができるのだ!


また免疫物質の活性は、亜鉛の濃度と直接の関係がある。さらに試験管での実験では、亜鉛がウィルスの増殖を抑える「抗ウィルス効果」が確認されている。だいたい亜鉛として一日に15~30mg程度を目安に摂取しておくと良いだろう。


 なお亜鉛には面白い使い方があって、アメリカでは亜鉛のトローチが販売されている。風邪の引きかけに亜鉛のトローチを舐めると、鼻水や咳などの症状を抑え、治りを早くすることができると言われているんだ。