昔の人たちはサプリメントなど知らず、普通に天寿をまっとうしてきた。本来は、普通に手に入る食材だけで十分に生きられるよう、人間の身体はデザインされているはずだ。しかし…




 なぜ、サプリメントが効くのか?  


 必要な栄養は食事から摂りなさい、とは多くの方に共通する意見だろう。しかし現代の社会では、残念なことにそれが不可能となっている。

一口で言うと、食物に含まれる栄養素が、昔に比べて激減してしまっている。



今世紀の初め、マックス・ゲルソンという天才的な医者がいた。彼は「アフリカの聖人」と呼ばれるあのシュヴァイツァーの結核を治したことでも有名で、今でも難しいとされる末期ガンの患者を、その時代に何人も治している。



彼の治療アイテムとして、大量の野菜やフルーツのジュースが挙げられている。これはビタミンや繊維質、ファイトケミカルの良い給源だからガンに効いたのも当然のこと。しかし、後年になってゲルソンは野菜ジュースを治療に使うことを止めてしまう。



治療効果が無くなってしまったからだ。大量の農薬や除草剤の使用により、野菜や果物の栄養価が急減してしまったのである。


具体的な例を挙げよう。例えばニンジンについて。


昭和25年の食品成分表によると、ビタミンAを100gあたり12500IU含むとされている。それが今では10分の1。かぼちゃやほうれん草のビタミンAも同様、10分の1程度になっている。


ほうれん草についていえば、鉄分は6分の1、ビタミンCは4分の1以下になっており、これでは「野菜を食べるのは水を飲むようなもの」と言っても過言では無いだろう。



結局ゲルソンは野菜ジュースをあきらめ、レバーを代わりに用いるようになる。

しかし牛を育てるときの抗生物質や生レバーに含まれる寄生虫の問題もあり、品質が低下したため、これもアウトとなってしまったのだ。



今はどうか。環境ホルモンや重金属汚染など、自然の食物に含まれる弊害はゲルソンの時代よりもさらに増大している。


ここで、サプリメントの意義が出てきた。食物から十分に栄養素が摂れるのなら、サプリメントは要らない。それが不可能だからこそ、サプリメントは「効く」のだ。





 サプリメントは有用である。


 自然の食物に含まれる栄養価が低下したことだけではない。現代人の生活は、昔の人に比べれば目が回るほど忙しいもので、食事にかける時間、また食事を作る時間も昔ほどは取れないだろう。

このことからも、手軽に必要十分な栄養素が摂れるサプリメントの存在意義は大きくなる。さらに忙しい生活はストレスを激増させる。ストレスが多ければ、それだけ必要な栄養素も増えてくるのだ。



 また、環境汚染の問題がある。大気や水の汚染度は昔とは比べ物にならない。光化学スモッグが問題となった頃よりはマシだが、この汚染から身を守るためのサプリメントも必要となる。


 

 さらに、食物に微量にしか含まれないのにも関わらず、健康に効果のある栄養素というものがいくつもある。

ガンマリノレン酸やαリポ酸など、食物には微量にしか含まれないものの、それらをサプリメントで大量に摂取することにより、健康に有益な効果を生み出すことができる、そういうものが多々、存在するのだ。


 ビタミンについても、例えばビタミンEなどは400IUくらい摂取しないと冠状動脈疾患への効果は少ない。しかしこれは食物からはとても摂取することはできないだろう。



 サプリメントのススメ


 食物から十分な栄養が摂れなくなってしまったからと言って、「昔は良かった」と嘆いても始まらない。

むしろそのお陰でサプリメントというアイテムが進歩し、昔の人々よりも高いレベルでの健康を手に入れることができるようになったと言うことも可能なはずだ。


 風邪や生活習慣病などの治療は言うに及ばず、より美しくなるための美容サプリメント、スポーツのパフォーマンスを上げるためのサプリメント、頭を良くするためのサプリメントなどもある。これらを上手く使うことによって、人生をより快適にすることが可能となるのだ。