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モラ美が暴走して奇行や妄言を振りまき続ける中、私と虎キチは毎日順調に楽しくラブラブ電話を交わしていました。
私もこの頃、短期集中の高額アルバイトに行っていますので、話せる時間は前より限られましたが、それでも時間を割いて会話につぎ込んでいました。
やはり、中心となるのは、新生活の会話です。
そして、11月7日の二度目のデートです。
未来の展望を話すことは、ワクワクすることでした!
虎キチが意見を求めてくると、私は自分の意見は言いました。ですが、必ず付け加える言葉がありました。
「私はこう思うけど、結局は虎キチくんの問題やから、どうすればいいかは虎キチくんが決めたら?」
モラ美との生活では、ああしろこうしろと何でもかんでもモラ美の命令に従うばかりだった虎キチ。
思考のゆがみを補正するには、自分の考えで物事を決定してもらうことが重要だと思ったのです。
もちろん、元々自主性が全くなかった人ではありません。それどころか、本来なら自己主張がとても強いタイプの人です。趣味や仕事、人間付き合いなどにそうした部分はハッキリと出ています。ただ、夫として父として家長としての虎キチは、さまざまな部分がゆがめられていました。
そうした私との空気を心地よいものと思ってほしい、
そして、これが普通の健全な関係なんだとわかってほしい、
それが、私の願いでした。
虎キチは、モラ美のことをなんでも私に話すようになりました。
元々我慢していたところだったので、私という聞き手が出来て、虎キチも嬉しかったのでしょう。
私の方はというと、モラ美対策もする必要がありましたし、矛盾点を指摘して虎キチに考える機会を提示する大切な情報でしたから、これらの話をいつもしっかりと聞いていました。
しかし、
この頃から、
虎キチと私の関係も、何か、
モラ美についての話が増えれば増えるほど、
少しずつ、
微妙にいびつになってきました。
私は、もちろんのこと、プロのメンタルドクターではありません。プロのカウンセラーでもありません。そちら方面に若干詳しいシロウトです。
料金制時間制で多くの人に関わるプロより、心を込めて丁寧に虎キチに対処することは出来ます。
しかし、
プロには専門知識やスキル以上のある大きな利点があり、私はそれを欠いていました。
無情さです。