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虎キチは離婚の意思をモラ美に伝えたことで、完全に決心を固めました。
最初の方に書いたので、忘れている読者さんもいらっしゃるでしょう、虎キチがここまで酷い女と離婚しなかった理由。
虎キチはある非営利団体に加入しており、そこの規則で離婚はよしとされていなかった。
この点について、もう少し詳しく書こうと思います。
若い頃には、この団体の本部で働く幹部を夢見ていた虎キチ。
事実、彼は地方支部での幹部候補生として働いており、日本本部の幹部職員からも覚えがよく、本部に招かれたこともそれまではありました。日本本部に務めることはエリートコースであり、ちょっとしたステータスです。
その夢を叶えられる直前に出会ったのがモラ美です。
彼の記事をお読みの方ならご存知の通り、結婚詐欺だのウソつきだの、処女だったのにもてあそんだだの散々泣かれて彼は自分の夢をあきらめました。
それでも、彼は、地方支部で幹部職員になることはできるだろうと思っていました。
その夢も、モラ美によって潰されることになります。
虎キチはある時、地方支部を別の場所に異動することになりました。
その時、虎キチの上司に当たる人物が言いました。
「君のことを(模範的職員として)推薦しないよ」
虎キチは、この言葉にたいへんショックを受けます。
異動後、ずっと虎キチはヒラのままでした。自分より能力も熱心さも歳も下の人間がどんどん登って行くにもかかわらず。
「でも、君のことは悪く書かないから」
推薦しないと言われた時、虎キチはこうも言われたそうです。
当時その言葉の意味を、虎キチは全く考えていなかったのです。
だって、虎キチにとって、
モラ美は完璧な妻だったからです!
モラ美が自分の脚を引っ張っているという発想がそもそもありません!
この団体内部でモラ美が他の職員たちにどれだけキレたりモメごとを起こしたり罵詈雑言を浴びせたりしていても、虎キチはマインドコントロールがギッチギチにかかっていますので、
モラ美が原因で自分の幹部への道が閉ざされたなんてよもや思いもよりません!
(幹部たちはもちろん、会食やパーティなどでホストを務めることが多くあります。妻同伴で、妻が職員たちをおもてなしするのは、この団体では義務でしたから、妻が他人と上手くやれない人間だということは致命傷と言えました)
なので、虎キチはただひたすらに、
自分の能力や頑張りを評価されてないんだと思い込み、失望しました。
で、
この団体が悪いんだと結論づけました。
この団体にガッカリしました。
イヤになってきました。
そんな虎キチが、この団体を辞められない理由はひとえに、
金。
起業してから虎キチの事業に、この団体のメンバーたちが多く顧客となってくれました。総売上の10パーセントを少し割りこむくらいです。
しかし、この団体を辞めてしまうと、今まではメンバー同士のお付き合いとして虎キチ会社を利用していた人々は、おそらく遠ざかるでしょう。
売り上げ10パーセント。
かなりのダメージです。
その上、どんなに稼いでもどうやっても金の貯まらない生活で、アルバイトまでしても借金があるのに、10パーセントダウンは痛すぎる打撃だと言えます。
(この団体で出世できないのもモラ美、借金あるのもモラ美、どこまでも彼の人生の重荷でしかないのに自分は素晴らしい妻とアピるモラ美ってすごい心臓よね、フッ、俺の負けだよ、勝てないよ、勝ちたくもないけど)
ですが、
虎キチは、離婚を決意しました。
20年以上在籍してきたこの団体を、もう辞めよう!
金のことはもうどうでもいい!
俺はモラ美と別れて猫といっしょになるんだ!
虎キチは、もう、あとに引くことは考えませんでした。