水木しげる先生生誕百周年記念の今年、Netflixでは新作アニメ「悪魔くん」が配信され、映画では「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が公開されました。
さっそく鑑賞してきた感想ですが、まず水木作品へのリスペクトを強く感じる映画に仕上がってました。
映画のラストが原作マンガ「墓場鬼太郎」に繋がるように構成されていて水木しげるファンも納得という感じです。
映画の雰囲気は昭和31年の世の中と隔絶した因習に支配された山村を舞台にしていて、まるでアニメ版の横溝正史作品を観ているようでした。
下駄の音とともに現れるのが鬼太郎の父ではなく、金田一耕助であってもしっくりくる雰囲気です。
PG-12指定の映画となってますが「鬼太郎の映画を観たい」という小学生を連れて行くと期待していた感じとあまりに違って驚くかもしれません。
なかなかグロテスクだったり刺激的な表現も多いです。
また、原作マンガでは鬼太郎によってひどい目に合う役回りの水木さんはその過去はあまり描かれていません。
その水木さんの体験として水木しげる先生が書いた戦記モノの内容を当てていました。
水木しげる先生の実体験や当時聞いた話を元にした戦記モノのエピソードなので悲惨で悲しいものです。
あの鬼太郎の育ての親、水木さんにアニメ映画でこんなに厚みがつくとは思いませんでした。
戦場のエピソード、横溝正史的な村落の描写ときたのでこのままミステリー的な雰囲気で進むのかと思ってしまいましたが
そこは「ゲゲゲの鬼太郎」に繋がる物語ということで途中からしっかり激しいアクションアニメに突入しました。
バトルシーンを期待して観に来た人の期待も裏切らない出来でした。
物語の展開は勘がいい人ならわりと早めに読めてしまうかもしれませんが絵の美しさで最後まで引っ張ってくれます。
ぜひともおすすめしたい映画です。